強い個性へ共感? ホーク・エステートとスーパースナイプ(2) 著名人に選ばれたハンバー
公開 : 2025.08.31 17:50
上級ワゴンの先駆けといえたホーク・エステート 著名人に選ばれたスーパースナイプ 過剰設計でも錆びやすいボディ 戦前の香りが否めないシャシー UK編集部が個性の強いハンバーを振り返る
もくじ
ーかつての高級ステーションワゴン
ーピクニックテーブルにロールス風の小物入れ
ー変速の必要性を感じさせないトルク
ー英国車らしい魅力 愛された理由へ共感
ーホーク・エステートとスーパースナイプ 2台のハンバーのスペック
かつての高級ステーションワゴン
今回ご登場願ったハンバー・ホーク・エステート・シリーズIVとスーパースナイプ・シリーズVは、クラシックカー博物館のグレート・ブリティッシュ・カー・ジャーニーが管理する車両。いずれもモデル末期の仕様で、当時のナンバープレートを維持している。
ホーク・エステートの初代オーナーは、ムーアズ殺人事件の判事、フェントン・アトキンソン氏。15インチ・ホイールを履き、堂々とした風格を滲ませる。防音材が張られたボンネットを開くと、1950年代らしい景色が広がる。

テールライトのリフレクター部分は、給油リッドを兼ねている。テールゲートは上下二分割で、荷室も美しく仕立てられ、かつての高級ステーションワゴンだと実感させる。
ドアは深い角度まで開き、綺麗に閉まる。サイドウインドウは手動のワインダーだが、動きは滑らか。ウッドパネルの質感は、上級仕様のスーパースナイプに届かないけれど。後期型でシートはPVC張り。ハンバーの工場を旅立ったばかりのように、真新しい。
ピクニックテーブルにロールス風の小物入れ
サルーンのスーパースナイプでは、後席の前方へピクニックテーブルが備わる。グローブボックスはホーク・エステートよりひと回り大きく、ロールス・ロイス風のシャッター付き小物入れも用意されている。
シートやドアの内張りはグリーンのレザーで、特有の香りが漂う。ウッドパネルは艶が強すぎるが、本物のウォールナットだ。

どちらのダッシュボードにも、メーターの上にハイビームやイグニッションの警告灯が並ぶ。ヒーターとファン、チョークのスイッチは滑らかに動く。
変速の必要性を感じさせないトルク
スーパースナイプの3.0L直列6気筒エンジンは、60km/hまで颯爽と全長4775mmのサルーンボディを引っ張る。トルクが太く、変速の必要性を感じさせない。アイドリング時から、聞き心地の良いサウンドを静かに響かせる。
コラムから伸びるシフトレバーは正確にゲートを選べ、動きも軽い。2速からでも活発な加速を披露し、130km/hでの巡航も余裕綽々。同時期のライバルを追い越すのに、不満ない余力を残している。

ホーク・エステートの2.3L直列4気筒も軽々と回り、マイルドなノイズを微かに響かせる。最高速度は136km/hだが、体感的にはさほど非力な感じはない。前輪のディスクブレーキはサーボで強化され、制動力は充分。直進安定性も褒められる。
ステアリングは、スーパースナイプはパワーアシストされ、軽快に回せるもののセンターへ戻るのに僅かな遅れがある。ホークの方が、身軽にフロントノーズを操れる。気張るとボディロールは大きく、アンダーステア傾向で、スキール音は小さくないが。







































































































































