最近のレクサスってどうですか?RCF編【日本版編集長コラム#45】

公開 : 2025.08.31 11:45

乗り手にスリリングな思いを与えない

RCFに乗っていてレクサスらしいと思った部分がある。それは走りの安定感だ。

実は個人的にFRのクルマに苦手意識がある。これまで購入したクルマが全てFFかFFベースの4WDで、それに体が慣れているからか、フロントを駆動しないのがどこか落ち着かないのだ。

終焉が近づいている自然吸気5L V8の名機『2UR-GSE』。
終焉が近づいている自然吸気5L V8の名機『2UR-GSE』。    平井大介

RCFはもちろんFRなのだが、フロントは常に安定していて、乗っていて4WDのような安心感すら覚える。装着タイヤであるミシュラン・パイロットスポーツ4Sもいい仕事をしているのだろう。

安定志向と書くとスポーツカーとしてはマイナスに聞こえるかもしれないが、レクサスはハイパフォーマンスカーであっても、乗り手にスリリングな思いを極力与えないようにしている気がする。それは安心であり、安全であり、クルマとの信頼関係に繋がり、これこそがレクサスらしさのひとつではないかと感じ始めたのだ。

終焉が近づいている名機『2UR-GSE』に、安心感を兼ね備えたパフォーマンス。現代ではコンパクトともいえるちょうどいいサイズ感に、今や絶滅危惧種の2ドアクーペであること。レクサスRCFファイナルエディションに乗っていて、多くの2ドアクーペに憧れて育った昭和40年代男は、「これ欲しいかも!」と思ったのであった。

……本当は5台目まで書く予定でしたが、長くなってきたので、まさかの4回目に続きます。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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