【2027年にはレベル4自動運転実装へ】トヨタ次世代EVモビリティ『イーパレット』販売と実証を開始

公開 : 2025.09.18 08:05

トヨタが都市部で汎用的に使用できるBEV『イーパレット』の販売を開始しました。単なる移動手段としてではなく、移動店舗やサービス空間への活用を前提とした汎用的な車内空間を持つモビリティです。2027年ごろにはレベル4の完全自動運転も実装予定です。

多用途電動モビリティを発売

トヨタ自動車は9月15日より、さまざまなモビリティサービスに活用できるバッテリーEV『イーパレット(e-Palette)』の販売を開始した。

『イーパレット』は広い室内空間と開放的なデザインを活かし、移動手段としてだけではなく、移動型店舗やサービス空間など、1台のクルマを使ってさまざまなモビリティサービスに対応することが可能な設計となっている。

トヨタ・イーパレット
トヨタ・イーパレット    トヨタ

まずは『トヨタアリーナ東京』とその周辺エリアと静岡県裾野市の『トヨタ・ウーブン・シティ』に導入され、輸送サービスでの活用や品物などを販売する移動型店舗などとして活用する取り組みを進めていく。

また、一部地域では販売店や自治体、自動運転パートナーとも連携した自動運転実装などを進め、2027年度にはレベル4(特定条件下における完全自動運転)準拠の自動運転システム搭載車の市場導入を目指す。

トヨタは今回の取り組みを通じて、全ての人に移動の自由を提供し、心まで動かすモビリティ社会の実現をめざして、モビリティの可能性を広げていくという。

なお、車両への充電は急速充電と普通充電の両方に対応するほか、搭載されるバッテリーを非常時の電源として、災害時などに活用することも可能となっている。

『トヨタ・イーパレット』は受注生産で、価格は2900万円からとなっている。また、本車両は環境省による『商用車等の電動化促進事業』の対象(補助金額1583万5000円)である。

販売は当面の間、トヨタが直接に受注・販売を行い、将来的にはディーラーでの販売に移行する予定である。

マルチな使い方を提案

『イーパレット』はサイドに大型の両開きスライドドアを備えており、低床のフロアと車高調整機能、電動スロープにより高いバリアフリー性能を持つ。歩道高さ15cmの場合では、車いすの利用者が介助なく自力で乗降可能となっている。また、車いすのワンタッチ固定などのオプションも装着可能となっている。

室内は長さ2865mm、幅1780mm、高さ2135mmで、定員は運転手1、座席4、立席12の17名乗りとなっている。また、広大な車内空間は様々な架装に対応しており、例えば朝・夕はシャトルバスとして、日中は充電しながらキッチンカーとして、夜はスポーツバー的な使い方など、1日の間に異なる用途での活用も可能となっている。

トヨタ・イーパレット
トヨタ・イーパレット    トヨタ

自動運転と先進装備

『イーパレット』はレベル2相当の自動運転システムに対応可能となっているが、2027年度には特定条件下での完全自動運転であるレベル4に対応すべく、継続した機能実装が行われるという。

また、トヨタの車両制御インターフェイス(VCI)により、様々なサードパーティ開発による自動運転システムと車両制御システムの接続を標準化することで、システムの堅牢性や信頼性を高めた冗長システムを搭載、自動運転システムとセットで安全、安心な走行を実現する。また、このシステムはスムーズな自動運転オペレーションを行う運行管理システムとの連携も可能となっている。

トヨタ・イーパレット
トヨタ・イーパレット    トヨタ

『イーパレット』の操舵系統には次世代の『ステアバイワイヤシステム』を導入、ステアリング操作量を減らすことで、運転手の負担軽減にも寄与している。また、異形ステアリングを採用し、先進的なコックピットを実現した。

車両の内外には利用シーンに応じて様々な表示が行える『デジタルサイネージ』も装備した。表示内容は提供されるサイネージソフトによりユーザーによる編集が可能となっている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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