トヨタMR2中古車ガイド『UK編集部編』(1) ロータス技術者も開発に関与 ボディのサビが泣き所

公開 : 2026.01.23 17:45

日本車初の量産ミドシップ・スポーツ、『トヨタMR2』。その中古車ガイドを日本版編集部、UK編集部、両方の視点でお届けします。その違いなどをお楽しみ下さい。UK版では初代MR2を実際に取材し、その魅力を再確認します。

日本初の量産MR ロータスの技術者も関与

フィアットX1/9から教訓を得つつ、往年のMGBが属した市場へ1984年に投入されたのが、トヨタMR2。前後の重量配分は44:56で、優れたシャシーバランスとトラクションを実現している。軽い車重に充分な馬力を備え、雨天時には丁寧な操作が不可欠だが。

初代MR2は、日本車初の量産ミドシップ・スポーツ。当時のトヨタはロータスの筆頭株主ではあったが、表向きには自主開発だと主張された。だが後に、ロータス技術者のロジャー・ベッカー氏と、レーサーのダン・ガーニー氏の関与が明らかになっている。

トヨタMR2(初代/1984〜1989年/英国仕様)
トヨタMR2(初代/1984〜1989年/英国仕様)    ジェームズ・マン(James Mann)

自然吸気1.6L 4気筒のツインカム「4A-GE」エンジンには、ヤマハ開発の16バルブヘッドを採用。可変吸気システムを実装し、柔軟性も高められていた。

1985年には、1.6Lスーパーチャージド・エンジンが登場。日本仕様には、1.5L SOHCユニットも用意された。5速MTの他、4速ATも一部の市場では選ぶことができた。

弱点はボディのサビ 高騰には至らず

スタイリングを率いたのは、社内デザイナーだった山内誠一氏。無駄がなくシャープな姿は、新車時以上に訴求力を放っているように見える。充実した装備と、優れた車内レイアウトも魅力の一部を構成する。

全長は4mを切る短さだが、2シーターのキャビンにはゆとりがあり、荷室も広い。開放的なTバールーフ・ボディも選べ、左右のガラスパネルは脱着可能。マイナーチェンジを経て、シート後方にパネルを格納できるようになっている。

トヨタMR2(初代/1984〜1989年/英国仕様)
トヨタMR2(初代/1984〜1989年/英国仕様)    ジェームズ・マン(James Mann)

トヨタは、収益性を維持しつつMR2を進化させ続けた。可変吸気システムのインテーク部品は、実は7種類も存在している。同時に、多くのモデルと共有したドライブトレインは、高い信頼性と耐久性、好燃費を叶えてもいた。

弱点はボディのサビ。40年近い年月が過ぎ、現存例の殆どはパネル交換や板金修理を受けていると考えていいだろう。改造された車両も多い。オリジナル度や走行距離に応じて取引価格は上昇するが、まだ高騰には至っていないのがうれしい。

オーナーの意見を聞いてみる

「以前の職場で、上司がMR2に乗っていたんです」。今回の車両のオーナー、ジム・ロジャース氏が振り返る。「自分も好きでしたが、当時は買う余裕がありませんでした」

スポーツカーが好きで、フォード・エスコートやローバー・メトロに乗って来ました。でも2024年に、遂に長年の夢を叶えたんです。妻は驚いていましたね。初めてのクラシックカーで、ミドシップ・スポーツでしたから」

トヨタMR2(初代/1984〜1989年/英国仕様)
トヨタMR2(初代/1984〜1989年/英国仕様)    ジェームズ・マン(James Mann)

「納車された日に早速、ガソリンスタンドで知らない人から褒められました。娘たちも気に入っています。ボディとエンジンは、2014年に前オーナーがレストアしたそうです。状態は素晴らしいですが、錆びやすいので丁寧に維持するつもりです」

記事に関わった人々

  • 執筆

    マルコム・マッケイ

    Malcolm Mckay

    英国編集部ライター
  • 撮影

    ジェームズ・マン

    James Mann

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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