最近のマツダ話、MX-30ロータリーEV前編【日本版編集長コラム#48】
公開 : 2025.09.21 12:25
「泣かせるなぁ」
RE復活までの流れは正直、「泣かせるなぁ」というものだった。RE搭載車は2012年にRX-8が生産を終えたことで途切れたが、補修部品の需要もありREの生産自体は継続。研究も続いていた。8Cの取材でエンジニアにインタビューしたところ、「REを作りたくて入社した」と語っていて、そういった人々の熱意も少なからずあったのだ。
また、2021年にロータリーが復活した際に登場した限定車『MX-30ロータリーEVエディションR』が、2012年にRX-8が生産終了した時の車名『スピリットR』に由来したあたりも、マツダのREへの思い入れが伺える。

ちなみに、RE生産ではどうしても人の手が必要となる部分があり、『匠』と呼ばれる選りすぐりの3人(取材時)が作業にあたっているそう。匠になるためには、ひとりで手順どおりに1基組めること、全ての機能部品を人に説明できること、そして匠として恥ずかしくない行動がとれる人物か現在の匠3人が認めること(!)という、まさに伝統を受け継ぐ職人の世界であるのも、実にいい話だと思っている。
マルチソリューションのひとつとして選択
個人的によかったと思うのは、この自動車大変革期を乗り切るため、REをマルチソリューションのひとつとして選択したことだ。マツダは電動化について、トップランナーにならないことを明言している。各国で政策やインフラも異なり先行き不透明な中で、企業規模を考えると先行することは現実的でないということだ。
消極的とも見えるが、これは地に足がついていると捉えるのが正しいと思う。事実、先行して電動化を進めたブランドで、世界的にBEVの需要が伸び悩む『踊り場』に対応するため足踏みしているところもあり、もしマツダがトップランナーを目指していたら、トランプ関税の影響で受けた今年の大打撃は耐えきれなかったかもしれない。

そんなREを搭載するマツダMX-30ロータリーEVに、1ヵ月ほど乗る機会ができた。そもそも思い入れしかないため、これがとてもいい期間になったことだけを記しておき……もちろん、この話は次回に続きます。

















































