解体間近の希少なクラシックカー 40選(後編) ジャンクヤード探訪記

公開 : 2025.09.21 11:25

米国の巨大ジャンクヤードを巡り、スクラップ同然のクルマにレンズを向ける探訪記シリーズ。今回は、廃業のため解体が間近に迫った1940~1970年代のクラシックカーを紹介します。滅多に見られない超レア車も。

フォード・ギャラクシー・サンライナー(1962年)

(翻訳者注:この記事は『後編』です。掲載済みの前編とあわせてお楽しみください。)

完璧な状態の1962年製フォード・ギャラクシー・サンライナーなら、それなりの金額で取引されるが、このみすぼらしい個体には2000ドル(約30万円)の値札が貼られていた。0-97km/h加速は14秒弱、最高速度は約160km/hに達し、5万5829台が生産された。

フォード・ギャラクシー・サンライナー(1962年)
フォード・ギャラクシー・サンライナー(1962年)

プリムス・ダスター(1975年)

このプリムス・ダスターの窓には「75」と「sold」という字が書かれている。おそらく1975年製で、なんとか買い手を見つけたのだろう。1970年から1976年にかけて生産されたダスターは、プリムス・ヴァリアントのセミファストバック版だった。国内での主な競合車はシボレー・ノヴァ、フォード・マーベリック、AMCホーネットなど。

プリムス・ダスター(1975年)
プリムス・ダスター(1975年)

レオ・スピードワゴン(1940年代)

オールズモビルの創業者ランサム・イーライ・オールズ氏は、トラックブランドを設立した際、自身の名前の頭文字をとってレオ(Reo)と名付けた。レオはミシガン州ランシングに拠点を置き、1905年から1975年まで乗用車とトラックを生産した。

こちらの1940年代後半のスピードワゴンは、背中にワージントン社製のコンプレッサーを搭載していた。当時すでに100年の歴史を持つワージントン・コンプレッサー・サービス社は、パリのエッフェル塔建設時に使用された油圧エレベーターを駆動する蒸気ポンプエンジンを供給したことでも知られる。

レオ・スピードワゴン(1940年代)
レオ・スピードワゴン(1940年代)

ちなみに、イリノイ州出身の有名なロックバンドは、このトラックから名前を取った。

ナッシュ・ランブラー・エアフライト(1952年)

ナッシュ・ランブラー・エアフライトのステーションワゴンが初登場した当時、まるで別の惑星から来たような見た目だった。……ということは、ロズウェルはこのクルマにとって完璧な場所と言えそうだ。ランブラー・エアフライトの2ドア・ワゴンは1951年に発売され、この個体は2年目に出荷されたものだ。

ナッシュ・ランブラー・エアフライト(1952年)
ナッシュ・ランブラー・エアフライト(1952年)

パッカード・キャバリエ(1953年)

パッカード・キャバリエは300モデルの後継車だった。この4ドア・セダンは当時3234ドルで販売されていたが、生産期間はわずか2年間(1952~1953年)にとどまった。わたし達がヤードを訪れた際、プロジェクトカーとして販売されていたこの個体は1953年製で、わずか1万779台のみ生産されたうちの1台である。

パッカード・キャバリエ(1953年)
パッカード・キャバリエ(1953年)

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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