ポルシェ vs AMG ニュル最速をかけた戦い 新型『911 GT2 RS』と『GTブラックシリーズ』の詳細
公開 : 2025.08.11 18:45
ポルシェとメルセデスAMGは、ニュルブルクリンク最速の称号をかけた新型車の投入を間近に控えています。911を極限まで強化した『GT2 RS』と、最強のV8エンジンを搭載した『GT』が相まみえます。
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ポルシェとメルセデスAMGは、ニュルブルクリンクの王座をかけて、2台のターボエンジン搭載スポーツカーを投入する。どちらもラップレコードの更新という1つの目標に焦点を当てて開発されている。
シュトゥットガルトからは、これまでも911の性能限界を打ち破ってきた『GT2 RS』の3代目モデルが登場する。関係者の話によると、新型は再びその水準を引き上げるものとなるようだ。

一方、アファルターバッハからは、『GTブラックシリーズ』の後継車が登場する。2023年に発売された現行AMG GTをベースとする高性能モデルで、9月のミュンヘン・モーターショーでは『コンセプトAMG GTトラックスポーツ』として先行公開される予定だ。
911をさらに強化・発展
史上最も過激なポルシェ911のロードカーが、いよいよデビュー間近だ。2026年の生産開始に先立ち、今年中に発表される予定で、2010年の初代GT2 RSの登場以来、3代目に数えられる。
これまでに確認されたプロトタイプでは、非常にワイドになったリアウィングなど、アグレッシブな新ボディを採用し、従来よりもさらにドラマチックなレーシングカーのようなスタンスを誇っている。

パワートレインは、ポルシェのル・マン参戦車両から派生した新しいハイブリッドシステムだ。ノルドシュライフェでのラップレコード更新を目指し、最高出力700psの2代目GT2 RSを超えるパフォーマンスを実現するだろう。
現在販売されている911シリーズで最もパワフルなGTS Tハイブリッドの3.6Lフラット6エンジンをベースに、さらに改良が加えられる。
GTS Tハイブリッドでは、1基の電動ターボとトランスミッション統合型モーターでエンジンを補完し、合計出力541psおよび最大トルク62.2kg-mを発揮する。新型GT2 RSには、2基目の電動ターボとさらに強力な電気モーターが追加され、合計出力は760ps以上となる見込みだ。ある関係者は、800ps以上も実現可能だと示唆している。
パワーは8速デュアルクラッチ・オートマチック・トランスミッションを介して後輪にのみ伝達される。トルクは現在の911ターボSの81.5kg-mを余裕で上回るだろう。
新しいアーキテクチャーを採用するため、車両重量は2代目の1470kgよりも重くなる見込みだ。関係者によると、カーボンファイバーの多用、遮音材の削減、パースペックス製ウィンドウの採用といった軽量化措置にもかかわらず、約60kgの重量増加が予想されている。
空力性能もこれまで以上に高められる。280km/h走行時で860kgのダウンフォースを生むアクティブリアウィングを中心に、DRSのようなのリアウィングストール機能も備わる。
ダウンフォースをさらに増大させるため、新型GT2 RSは低いフロントディフューザーと多数のエアチャネルを採用する。後者は高速走行時の安定性を向上させるためのもので、ポルシェのレース活動から着想を得た設計だ。
ボールジョイント式サスペンションは、現行911 GT3 RSの機構をベースに、バンプ、リバウンド、デフロック、トラクション設定の8ウェイ調整機能を引き継ぐ見込みだ。また、キャリブレーションの見直し、トレッド幅の拡大、アンチロールバーの剛性向上、リアホイールステアリングの再調整が施される。ブレーキはカーボンセラミックディスクが標準装備される。
インテリアは未公開だが、他の911シリーズと同様のデジタルコクピットを採用し、ロールケージ、レーシングハーネス、CFRPのバケットシートなどがオプションで用意される見込みだ。サーキット走行用のオプションとしてヴァイザッハ・パッケージも設定される可能性が高い。
歴史的に、GT2 RSは911の各世代の最終進化形であり、911の性能の頂点とされてきた。
ポルシェが定めた目標を達成するには、新型GT2 RSはメルセデスAMGワンのノルドシュライフェ最速記録(6分29.09秒)を破らなければならない。これは、2代目GT2 RSのベストタイムを10秒近く短縮することになる。
パワーとトラクションだけでなく、空力特性とシャシーにも飛躍的な向上が求められ、ポルシェのエンジニアたちの技量が問われている。
価格は未確認だが、新型911 GT2 RSは前モデルのベース価格20万ポンド(約3980万円)を超えると予想されている。ポルシェは911シリーズの一環として「少量生産、ハイエモーション」モデルの開発を継続する方針を示しており、生産台数は非常に限定的なものとなる見込みだ。















































