胸すく速さと身のこなし テスラ・モデルY パフォーマンス 「インセイン」で0-100km/h 3.3秒

公開 : 2025.11.19 18:05

積極的に操縦できるスポーツ・モード

ダンパーは、スタンダードとスポーツの2段階に調整できるものの、差は小さい。前者でも乗り心地は比較的硬めながら、ツギハギの多い市街地との相性は良い。流れの速い郊外では、ボディの動きが若干大きく車重を感じるものの、快適に移動できる。

パフォーマンスらしく豪快な動力性能を楽しみたい場合は、スポーツ・モードが良いだろう。カーブへ飛び込めば、僅かなボディロールを伴いつつ積極的に操縦できる。実用性へ影響が出るほどではないとしても、乗り心地は悪化するけれど。

テスラ・モデルY パフォーマンス(英国仕様)
テスラモデルY パフォーマンス(英国仕様)

カタログ値の電費は6.1km/kWhで、航続距離は579km。急速充電は最大250kWがうたわれるが、高いレートが長時間続くわけではない。欧州ではテスラの急速充電器、スーパーチャージャーを利用できることの強みは、従来どおりだ。

胸がすく速さと身のこなしを獲得

ツインモーターで466psの動力性能を得た、モデルY パフォーマンス。既に完成度の高い電動クロスオーバーは、胸がすく速さと身のこなしを獲得したといえる。ライバルと比較すれば、運転体験は楽しいと表現できる。

パワーとスピードを高めても、オールラウンダー的な能力へトレードオフはないようだ。今でも、性能はクラスベストの1台といっていいだろう。

テスラ・モデルY パフォーマンス(英国仕様)
テスラ・モデルY パフォーマンス(英国仕様)

◯:豪快な加速力 積極的に運転できる完成度
△:広い全幅 ハードスイッチがもっと欲しい

テスラ・モデルY パフォーマンス(英国仕様)のスペック

英国価格:6万1990ポンド(約1227万円)
全長:4790mm
全幅:1980mm
全高:1610mm
最高速度:249km/h
0-100km/h加速:3.5秒
航続距離:579km
電費:6.1km/kWh
CO2排出量:−g/km
車両重量:2033kg
パワートレイン:ツイン永久磁石同期モーター
駆動用バッテリー:79.0kWh
急速充電能力:250kW(DC)
最高出力:466ps
最大トルク:75.4kg-m
ギアボックス:1速リダクション/四輪駆動

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    役職:編集委員
    新型車を世界で最初に試乗するジャーナリストの1人。AUTOCARの主要な特集記事のライターであり、YouTubeチャンネルのメインパーソナリティでもある。1997年よりクルマに関する執筆や講演活動を行っており、自動車専門メディアの編集者を経て2005年にAUTOCARに移籍。あらゆる時代のクルマやエンジニアリングに関心を持ち、レーシングライセンスと、故障したクラシックカーやバイクをいくつか所有している。これまで運転した中で最高のクルマは、2009年式のフォード・フィエスタ・ゼテックS。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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