影響力は最強級 テスラ・モデルY「ジュニパー」(1) 違いはサイバーなライトだけじゃない
公開 : 2025.05.16 19:05
見た目や足回りが改良されたモデルY「ジュニパー」 パワートレインに目立った変更なし 乗り心地と静寂性は向上 ブレーキはバイワイヤに AWDの現実的な航続距離は480km UK編集部が試乗
見た目や足回りが改良されたジュニパー
影響力の大きい創業者が巻き起こす騒ぎには、触れないでおこう。対してテスラ・モデルYは、電気自動車として最も影響力のある1台といえる。それが本格的なアップデートを受けたと聞けば、どんな内容なのか興味が湧くはず。
モデルYは、2020年に発売。これまでも駆動用バッテリーやソフトウェアに改良が加えられ続けてきたが、5年目を迎えジュニパーという通称を得て、ボディやサスペンションが改められている。

フロントマスクでは、同社サイバートラック風のデイライトを獲得。写真ではわかりにくいが、ヘッドライトはバンパー側へ移動した。テールゲートには、ダウンフォースを高める狙いがあるのか、ダックテール風のスポイラーを得た。
アルミホイールは、19インチが標準。試乗車が履く20インチは、オプションとなる。
パワートレインに目立った変更はなし
パワートレインに、2024年仕様から目立った変更はない。それでも、空力特性を向上させたことで、僅かに航続距離は伸びたという。
駆動用バッテリーは、スタンダードレンジに載る63kWhのLFPユニットと、ロングレンジに載る83kWhのNMCユニット、2種類から選択可能。前者には283psのモーターが1基、後ろに載る。後者は312psを後ろに1基か、合計394psで前後に2基かを選べる。

ただし、テスラはこれらのスペックを非公表。推測される数字であることを、ご了承いただきたい。英国仕様の生産工場は、中国ではなくドイツ・ベルリンに置かれている。
ボディシェルには、スチールとアルミニウムを適材適所で利用。巨大な鋳造パーツが活用され、この大きさで車重を2t以下に収める優れた技術を有する。サスペンションは、前がダブルウィッシュボーン式で、後ろがマルチリンク式だ。
僅かに温かみと上質さを増したインテリア
アップデートで、インテリアは僅かに温かみと上質さを増した。センターコンソールは柔らかい仕上げになり、各部に間接照明が埋め込まれている。といっても、基本的にはミニマリスティックで、実際に押せるハードスイッチはほぼない。
素材や配色には統一感があり、居心地は良い。ドアポケットの内側にも、内張りがちゃんと貼られている。走行中、天井付近からきしむ音が若干聞こえていたけれど。

前席側は、座面の位置が高め。それにより、後席の足もとの空間を確保している。SUVライクな運転姿勢でウエストラインが低く、ウインドウが広く、ルーフが高く、開放的な空間が作られている。
運転席の正面に、メーター用モニターはなし。そのぶん、前方視界は広々としている。フロントガラスには、かなりの面積でヘッドアップ・ディスプレイが投影される。車線維持支援の動作状況なども確認できるが、少し目障りに感じられたのが本音。



































































































































