FRの傑作が今お手頃 トヨタ86を中古で(1) 理想的なドラポジ 出色ハードをおさらい
公開 : 2025.09.15 19:05
貴重なFRでMTのスポーツカー シリンダー寸法がモデル名の由来 低く理想的なドラポジ 200馬力あれば思い切り夢中になれる 滑沢な操縦性と落ち着き UK編集部が中古車で魅力を再確認
貴重な後輪駆動でマニュアルのスポーツカー
後輪駆動でマニュアルのスポーツカーは、現在では貴重な存在。しかし近年の最高傑作と呼べる中古車が、お手頃な価格で売られている。今後の高騰は想像に難くない。
それは、軽いFRシャシーに正確なステアリング、キレの良い自然吸気エンジンというパッケージングのトヨタ86。本物のドライバーズカーであり、以前のAUTOCARの試乗レポートでは満点の評価を得ている。

2.0L水平対向4気筒エンジンは、7000rpmで200psを発揮し、20.8kg-mの最大トルクは6400rpmで到達。確かに2012年当時、同じくらいの予算を準備すれば、もっと速いホットハッチが欧州では手に入った。しかし、スピードがすべてではない。
7400rpmのレッドラインへ引っ張れば、1.3tもないクーペは活発に走り出す。他方、モアパワーを求めて、英国の中古車市場にはターボチャージャーやスーパーチャージャーが組まれた例もあるが、信頼できる内容かは確かめたい。
シリンダーの寸法がモデル名の由来
スケールメリットが強みのトヨタだが、86の91%は専用部品。世界最大規模の自動車メーカーが、小さなクーペをどれだけ意欲的に開発したのか、理解できる数字だろう。
モデル名は、エンジン内部、シリンダーの内径(ボア)と工程長(ストローク)が、それぞれ86mmなことから来ている。かつてのトヨタ・セリカやMR2も、同じシリンダー形状が与えられていた。ちなみに、テールパイプの直径も86mmだ。

このエンジン開発を主導したのは、スバル。小型・軽量で、低重心を狙えることを理由に、水平対向ユニットが選ばれた。トランスミッションは、手首で変速できるほどショートストロークの6速マニュアルか、6速オートマティックが用意された。
前後の重量配分は、53:47。技術者は操縦性のバランスを吟味し、あえて僅かにフロント寄りに設定したそうだ。サスペンションは、前がマクファーソンストラットで、後ろがダブルウィッシュボーン。直感的なコーナリングを叶えている。
低く理想的なドラポジ 間隔が広すぎるペダル
インテリアは、プラスティック製パネルが硬く、やや高級感に欠ける。デザインも洗練度はほどほど。それでも製造品質は高く、シートポジションは低く理想的。正面に大きなタコメーターが配され、ドライバーが中心であることを物語る。
ステアリングホイールは、トヨタ史上最小径。センターコンソールには、旋回時に腕を支えるべく、ニーパッドが載る。ダッシュボードの上端にはセンターマークがあしらわれ、フロントガラス越しに確かめられる。

ただし、3枚のペダルの間隔は広すぎる。シフトダウン時のヒール&トウは難しい。
操作性の良いダッシュボード中央には、タッチモニターが備わる。タッチ2と呼ばれたインフォテインメント・システムは、ブルートゥースに対応。USBポートも付いている。






















































































































