【W1の空力開発にも活用】マクラーレンが車両開発にF1レベルのシミュレーターを

公開 : 2025.10.22 07:05

マクラーレンの最新ハイパーカー『W1』の開発に、最先端のシミュレーターが導入されていることが公表されました。F1レベルのバーチャル開発の促進により、開発速度と効率が大幅に向上するそうです。

車両開発に最先端シミュレーター導入

マクラーレン・オートモーティブは、テクノロジー・センターへ英国ダイニスマ社のドライビング・シミュレーター『ダイニスマ・モーション・ジェネレーター(Dynisma Motion Generator・以下DMG)』の導入を公表した。

マクラーレンが車両開発に最先端シミュレーター『ダイニスマ・モーション・ジェネレーター』を導入。
マクラーレンが車両開発に最先端シミュレーター『ダイニスマ・モーション・ジェネレーター』を導入。    マクラーレン

F1レベルのバーチャル開発能力

DMGは、車両への操作や走行中の挙動の変化などを、新次元の高忠実度で再現するモーション・シミュレーション技術を実装する。

テストドライバーによる実走テストで得られたデータを正確に再現できるため、主観的な評価と客観的なデータを活用することで、車両のパフォーマンスや挙動の解析レベルを向上、車両開発の速度と効率が従来以上に高められた。

マクラーレンが車両開発に最先端シミュレーター『ダイニスマ・モーション・ジェネレーター』を導入。
マクラーレンが車両開発に最先端シミュレーター『ダイニスマ・モーション・ジェネレーター』を導入。    マクラーレン

これによりフォーミュラ1(F1)レベルのバーチャル開発をロードカーに適用することが可能となった。

最新モデルの『マクラーレンW1』のアクティブ・エアロダイナミクス・システムを支える技術の検証でもDMGシミュレーションが効果を発揮、今後のマクラーレンのバーチャル開発能力の拡大にも貢献するという。

テストドライバーが現実世界のテストで経験したシナリオを再現し、車両がなぜそうしたパフォーマンスや挙動、走行を見せるのか、その裏にある正確なデータを従来以上に可視化できるため、マクラーレンのドライビング・エクスペリンスを決定づけるDNAを、さらに精密に解析することができるのだ。

車両開発責任者のコメント

マクラーレン・オートモーティブのチーフ・ヴィークル・プログラム・オフィサーであるエマヌエレ・ラヴェリア氏は、DMGの導入について以下のようにコメントしている。

「ダイニスマ・モーション・ジェネレーターの正確性と再現性によって、バーチャル技術による開発活動から、これまでにないレベルのディテールとデータを抽出できるようになりました」

マクラーレンが車両開発に最先端シミュレーター『ダイニスマ・モーション・ジェネレーター』を導入。
マクラーレンが車両開発に最先端シミュレーター『ダイニスマ・モーション・ジェネレーター』を導入。    マクラーレン

「バーチャル環境では、ダイナミクスの可能性や挙動をより幅広く検討できます」

「路面の粗さや乗り心地などが極めて忠実に再現されるため、低速で走行する一般路の状況も、テストコースやサーキットのような高負荷のシナリオも、驚くほどリアルにシミュレーションできるようになりました」

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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