レトロでキュートな新型『トゥインゴ』登場 ルノー最安価EV、一充電で263km 空力にもこだわるボディ

公開 : 2025.11.08 07:45

街乗り重視の加速性能

フロントに電気モーターを1基搭載し、最高出力81ps(60kW)と最大トルク17.8kg-mを発生する。

都市部での使用を想定し、トゥインゴは発進加速性能に重きを置いている。0-60km/h加速タイムは3.85秒で、0-100km/h加速は12.1秒とされる。

新型トゥインゴEテック・エレクトリック
新型トゥインゴEテック・エレクトリック    ルノー

実用性も特筆すべき点だ。1992年登場の初代モデルを踏襲し、「モノスペース」と呼ばれるワンボックスのボディデザインを維持しつつ、ドア数は3枚から5枚に増えた。4人乗りで、後部座席2席は独立してスライド、リクライニング、折り畳みが可能である。

この構造によりトランク容量は後部座席の位置に応じて205Lから305Lまで拡張でき、座席を折り畳めば最大1000Lまで広がる。さらに荷室の床下には充電ケーブルや小さいバッグを収納できるスペースが設けられている。

また、ルノーの兄弟ブランドであるダチアの『ユークリップ(Youclip)』という機構を採用し、多様なアクセサリーの取り付けを可能にした。例えば、エントリーグレードの『エボリューション』には標準で荷物棚は装備されないが、トランク壁面にはハンガー用のユークリップマウントが設けられており、そこからポップアウト式のファブリック棚を吊り下げられる。

初代を踏襲したデザイン

インテリアには初代トゥインゴへのオマージュが随所に散りばめられている。例えば、ルーフライニングには初代のシート生地を連想させる模様がエンボス加工されており、最上級グレードのテクノには同じ柄のカラフルなフロアマットが付属する。ハザードランプのボタンは、初代のドーム型ボタンに着想を得たデザインだ。

デジタル・インストゥルメントパネルと10インチのインフォテインメント・タッチスクリーンが標準装備され、エアコン操作パネルはタッチではなく物理ボタン式となっている。

新型トゥインゴEテック・エレクトリック
新型トゥインゴEテック・エレクトリック    ルノー

欧州市場では2026年初頭、英国では同年後半に発売される予定だ。生産はスロベニアで行われる。

ルノー・グループのデザイン責任者ローレンス・ファン・デン・アッカー氏は、4、5、トゥインゴの3車種について、中国の新たな競合他社に対抗し、ユーザーにEVを選択してもらうためには伝統に根差すことが重要だと述べている。

「R5(ルノー5)を100% EVにするのは賭けでした」と同氏は語った。「しかし、人々はEVであるにもかかわらずR5を購入しているというのが現状です」

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    役職:編集アシスタント
    2022年よりAUTOCARに加わり、ニュースデスクの一員として、新車発表や業界イベントの報道において重要な役割を担っている。印刷版やオンライン版の記事を執筆し、暇さえあればフィアット・パンダ100HP の故障について愚痴をこぼしている。産業界や社会問題に関するテーマを得意とする。これまで運転した中で最高のクルマはアルピーヌ A110 GTだが、自分には手が出せない価格であることが唯一の不満。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事