1万回転に惑わされるな!ランボルギーニ・テメラリオの真価は限界の先にあり【クローズドコースで初試乗】

公開 : 2025.11.11 12:05

1万回転の先にある『HPEV』の真価

モーターの助けもあって、直線加速ではあっという間に250km/hを越える。200km/hくらい? と予測してメーターを見ると250km/h出ていた! シフトアップの瞬間にフロントがリフトしたり、速度の上昇とともにステアリングからのフィードバックが変化したりしないので、スピード感が希薄なのだ。

そしてタイトなコーナーで積極的にスロットルを踏んでいくと、リアタイヤのグリップが生々しく感じられ、コントロールがしやすいことも理解できた。また少し無理をしてプッシュアンダーが出るようなシーンでも、コルサモードで走る限りフロントの2モーターが事態の収束に慌てる様子もなく、乗り手に挙動を正確に伝え、修正を促すという点でドライバーオリエンテッドだと感じられる。

直線加速ではあっという間に250km/hを越える。
直線加速ではあっという間に250km/hを越える。    ランボルギーニ・ジャパン

フロント2モーターというと、筆者は2代目『ホンダNSX』や『フェラーリSF90ストラダーレ』、そしてレヴエルトをサーキットレベルで走らせたことがある。だがテメラリオほど、モーターや電子制御の存在を察知させずナチュラルな走りを楽しめるモデルは初めてだった。ランボルギーニがテメラリオをPHEVではなく『HPEV』(ハイパフォーマンス・エレクトリファイド・ビークル)と呼ぶ根拠がこの動的質感にあるのだろう。

正直なところ、1万回転到達の感覚すぐに慣れる。むしろテメラリオの真価は、920psもの高出力を誇るスーパースポーツを「完全にコントロールできるかも!」と思わせてくれる制御系の仕上がりの良さにあると感じた。

今という混沌とした時代背景も加味すると、ランボルギーニが踏み出した一歩の大きさに感嘆せずにはいられない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。フィアット・パンダ4x4/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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