レヴエルトの将来像 ランボルギーニ・フェノメノは新技術の実験台と販売責任者

公開 : 2025.10.09 18:05

30台限定モデルのランボルギーニ・フェノメノは、ベースとなったレヴエルトの改良点を予見するものだと販売責任者が語りました。少量生産ゆえに新技術が実装しやすく、ブランドの将来の姿を予見しているとのこと。

限定生産だからこそできる挑戦

ランボルギーニの限定生産モデル『フェノメノ』は、そのベースとなったV12エンジン搭載のフラッグシップモデル『レヴエルト』の将来的な改良点を示唆している。

ランボルギーニのグローバル販売&マーケティング責任者であるフェデリコ・フォスチーニ氏はAUTOCARに対し、「バッテリー、パワー、サスペンション、ドライビングダイナミクスにおいてアップグレードが施されています。少量生産であれば、テストの一部を回避できるため、実装が容易なのです」と語った。

フェノメノは、フラッグシップモデルのレヴエルトをベースとしている。
フェノメノは、フラッグシップモデルのレヴエルトをベースとしている。

例えば、フェノメノは新型の7kWhバッテリーを搭載しており、レヴエルトの3.8kWhバッテリーよりも高い出力を実現。これにより、3基の電気モーターの出力を合計55ps高めている。

また、自然吸気6.5L V12エンジン用に新開発したバルブトレインにより、エンジン単体でさらに10psを引き出した。

これらの改良によりフェノメノは合計出力1080psを発生し、ランボルギーニ史上最強のパワーを誇る。0-100km/h加速は2.4秒、0-200km/h加速は6.7秒、最高速度は350km/hに達する。

「これは将来の技術革新を予見したマニフェストです」とフォスチーニ氏は言う。「ピラミッドの頂点に立つモデルであり、ランボルギーニの将来像を示すものです」

ただし、レヴエルトの改良は数年先になる見込みだ。発売からわずか1年しか経っておらず、フェノメノの生産開始は2027年を予定しているためである。

参考までに、レヴエルトの前身であるアヴェンタドールは2012年に発売され、4年後に改良を受けた。

フェノメノは30台限定で生産される。うち29台はランボルギーニの顧客に販売され、残り1台は同社のコレクションに収められる。

フォスチーニ氏は、この29台の販売は「わたし達の仕事の中で最も簡単な部分です」と冗談を飛ばしながら、フェノメノや過去の特別モデル(シアン、チェンテナリオ、レヴェントンなど)は「最も忠実な顧客へのお礼」だと語った。

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    役職:編集アシスタント
    2022年よりAUTOCARに加わり、ニュースデスクの一員として、新車発表や業界イベントの報道において重要な役割を担っている。印刷版やオンライン版の記事を執筆し、暇さえあればフィアット・パンダ100HP の故障について愚痴をこぼしている。産業界や社会問題に関するテーマを得意とする。これまで運転した中で最高のクルマはアルピーヌ A110 GTだが、自分には手が出せない価格であることが唯一の不満。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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