1万回転に惑わされるな!ランボルギーニ・テメラリオの真価は限界の先にあり【クローズドコースで初試乗】

公開 : 2025.11.11 12:05

ランボルギーニ・ウラカンの後継モデル『テメラリオ』に、吉田拓生が初試乗します。V8ツインターボ+3モーターのプラグインハイブリッドで、エンジンのレブリミットは1万回転超え。クローズドコースでその実力を味わいました。

V8効果? ついに高身長に適応

ついにレブリミット1万回転超え! イタリア・サンタアガタに本拠地を置くランボルギーニの最新作『テメラリオ』は、そんなプロパガンダを掲げてデビューした。

1万回転というハイレブはバイクやF1の世界では当たり前。近年はゴードン・マーレイの作品やアストン マーティン・ヴァルキリーのようなハイパーモデルでちらほら見かける数字。だがランボルギーニのようなメジャーブランドの量産車では初の大台突破といえる。

ランボルギーニ・テメラリオの試乗会がクローズドコースで開催。
ランボルギーニ・テメラリオの試乗会がクローズドコースで開催。    ランボルギーニ・ジャパン

今どき1000psと言われてもそこまで珍しくはなくなっているが、内燃機の1万回転は大きなインパクトがある。ランボルギーニは新たな金鉱を見つけたのだろうか?

テメラリオの日本上陸後初のメディア試乗会の舞台は房総半島のクローズドコース、ザ・マガリガワクラブだった。試乗はスタンダードモデルを試したあと、カーボンファイバー製のエアロ等で武装し25kgの軽量化を果たした『アレジェリータ』をドライブする流れだ。

コクピットの眺めは、先代モデルといえる『ウラカン』の流れを汲んだランボルギーニのそれ。ステアリング上の左上の赤いノブはドライビングモード、右上はハイブリッドの切り替えノブとなっている。

今回何より驚いたのは、室内空間が広くなったこと。ウラカンまでは身長180cmくらいが限界のイメージだったが、今回は200cm近くまでカバーできていると思う。V10からV8へ、エンジン長が短くなった効果だろうか?

ともあれピットロードのシグナルが青になったので、走り出してみよう。

素早い回転上昇、意味のあるハイレブ

V8ツインターボとなるエンジン単体の最高出力は9000回転で800ps。ギアは8速DCTで、モーターはリアに1基と、ベクタリングで左右を制御するフロントの2基というプラグインハイブリッド(PHEV)。そんなスペックを踏まえて、肩慣らしの1周目を走る。

ウラカンより300kgほど重くなっているはずだが、それよりもボディの塊感や、前後左右方向への無駄な動きが少ないことの方が印象的だった。

V8ツインターボとなるエンジン単体の最高出力は9000回転で800ps。
V8ツインターボとなるエンジン単体の最高出力は9000回転で800ps。    ランボルギーニ・ジャパン

3モーター追加のシャシー制御は、同じくPHEVとなるV12モデル、『レヴエルト』の知見が活かされているのだろう。ステアリングやシートを通してタイヤからのフィードバックを伝える能力は兄貴分より上と思えるほどで、そのぶん車体が小さく感じられる。

ツインターボのV8は3000回転を超えたあたりでブーストの高まりが感じられ、そこから先は自然吸気の如く直線的なパワーカーブで8000回転越えはあっという間。そして『噂の1万回転』には最初のバックストレートにおける3、4速であっさりと到達した。

そんなテメラリオの1万回転は、勢いよく突っ越す『通過点』ではない。9500回転以降はパワーの収束が感じられ、息が切れるように辿り着くのだが、その方がエンジンの限界性能を引き出せている! というリアリズムが感じられて気持ちがいい。

また、エンジンの最高出力が9000回転で発生することから考えても、1万回転まで引っ張ってシフトアップする意味があると実感できる。ウラカンの正常進化とはいえ、乗り手を陶酔の境地に誘う感覚はさすがランボルギーニ。規則でがんじがらめにされた現代のクルマ作りでは、体感性能の向上こそが最も難しい部分だからである。

記事に関わった人々

  • 執筆

    吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。フィアット・パンダ4x4/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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