「カイゼン」以上の徹底アップデート トヨタbZ4X(1) 効率改善で航続延長 もはや生まれ変り? 

公開 : 2026.01.20 18:05

徹底アップデートを受けたbZ4X 効率を高め航続距離を伸延 大幅に使いやすくなったタッチモニター 必要充分なパワーにダイレクト感増した操縦性 悪路性能も向上 UK編集部が試乗

新世代と呼びたい徹底アップデート

2022年のトヨタは、自社初の量産バッテリーEV、bZ4Xが厳しい競争へ揉まれることを予測していたはず。また発売直後に、ホイールバブの不備によるリコールが発生。駆動用バッテリーに関わるソフトウエアや、ヒーターの制御にも問題が発見された。

しかし、「カイゼン」以上の徹底アップデートを経て、新世代と呼びたいほどbZ4Xの実力は向上した。ボディやインテリアだけでなく、全面的に更新されたといっていい。

トヨタbZ4X デザイン FWD(英国仕様)
トヨタbZ4X デザイン FWD(英国仕様)

まずは見た目から。従来までマット仕上げだった樹脂製ホイールアーチは、グロス・ブラックへ変更。ハンマーヘッド・ノーズが与えられ、コの字のデイライトを得ている。リアスポイラーは大型化。アンダーカバーも、空気抵抗の低い形状へ改められた。

その内側では、新しい駆動用バッテリーとモーター、シリコンカーバイド半導体を用いたインバーター、トランスアクスル・トランスミッションを獲得。それらのパワートレインを実装するため、シャシーも再設計されたという。

エネルギー効率を高め航続距離を伸延

駆動用バッテリーは、56.0kWhか69.0kWhの2種を用意。大容量とはいえないが、車重増加を抑えつつエネルギー効率を高め、航続距離を最長566kmへ伸ばしている。急速充電は、プレコンディショニング機能を得たことで、最高150kWに対応する。

駆動用モーターは、前輪駆動で203psから224psへ増強。新しいインバーターと、鏡面仕上げのギアを組んだトランスミッションが功を奏し、電費は25%良くなった。

トヨタbZ4X デザイン FWD(英国仕様)
トヨタbZ4X デザイン FWD(英国仕様)

ツインモーターの四輪駆動もあり、118psのユニットがリア側へ追加される。総合342psを発揮し、0-100km/h加速は5.1秒とテスラ級へ縮めた。またトルクベクタリング機能のソフトウェアをアップデートし、操縦性のバランスも見直されている。

サスペンションは、スプリングとダンパーを更新。前側はブッシュも強化されている。ステアリングラックはリジッドマウントに。シャシー剛性を高めるべく、構造用接着剤の塗布量が増え、新しい接合技術も採用した。逆に、従来と同じ部品はどれなのだろう?

i-コクピット風の運転姿勢は従来通り

車内空間は、全長4700mm前後の電動クロスオーバーとして、これまで通り平均的。やや高めの着座位置で、小さめのステアリングホイールが低い位置に伸び、フロントガラスの付け根に配されたメーター用モニターを見る、という運転姿勢も変わらない。

プジョーのi-コクピット風レイアウトといえ、快適な姿勢を探しにくい人はいらっしゃるはず。フロントシートは座面が短めで、調整範囲も狭め。身長の高いドライバーは、もう少しゆったりしたサイズを欲すると思う。横方向のサポート性もより欲しい。

トヨタbZ4X デザイン FWD(英国仕様)
トヨタbZ4X デザイン FWD(英国仕様)

センターコンソールは、グロス・ブラックのパネルからグレーに更新。ダッシュボードまわりも、ソフトに仕上げられている。インフォテインメント用タッチモニターはインチアップし、エアコンの操作パネルは高級感が高められた。

後席側はライバルより狭めで、フロアが高く、膝の位置が上がり気味。シートを肉厚にし、頭上空間の余裕も増やしたいところ。それでも、大人がくつろげる広さはある。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 執筆

    アレックス・ウルステンホルム

    Alex Wolstenholme

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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