アルファ・ロメオ・ジュニアとフィアット600、究極の選択【日本版編集長コラム#61】

公開 : 2025.12.21 12:45

自身のブランドをちゃんと理解している

2台を通じて感じたのは、自身のブランドをちゃんと理解しているということだ。パワートレインは同じなのに、ジュニアアルファ・ロメオっぽいし、600はフィアットっぽい。ステランティス・グループとなったことで使用できる素材が増え、むしろ表現しやすくなったようにも見える。

これらを為替レートが厳しい中で500万円以下で購入できるのだから、イタリア車好きにとっては有り難い状況だ。それでも高い……という方も、たくさん売れてくれれば、中古車で狙える日は遠くないだろう。

イタリアンデザインの面目躍如なフィアット600の室内。
イタリアンデザインの面目躍如なフィアット600の室内。    平井大介

もちろんイタリア車だから、日本人的な細かい視点で見れば気になるところもあった。しかしそれらは欠点ではなく言うだけ野暮ということで、敢えて書かないことにした。それらを感じさせないだけの魅力が両車には備わっているのだ。

ちなみにどちらを選ぶと聞かれたら、個人的にはフィアット600となる。それはウーノ・ターボ、バルケッタをかつて所有した元フィアット・オーナーとして、600にフィアットのDNAを感じたからだ。

今真剣に気になっているのは、16インチ&ファブリックシートの受注生産車がどんな雰囲気か。それによっては、個人的なベストバイが誕生するかもしれない。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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