【価格は420万円から】ジュリエッタ以来のコンパクトモデルがSUVで復活!115周年の日にアルファ・ロメオ・ジュニア発表

公開 : 2025.06.25 12:45

ステランティス・ジャパンは6月24日、新型コンパクトSUV『アルファ・ロメオ・ジュニア』を発売。都内で発表会を開催しました。420万円からと、かなり攻めた価格になっています。編集部ヒライのレポートです。

アルファ・ロメオ115周年の記念日に

ステランティス・ジャパンは6月24日、新型コンパクトSUV『アルファ・ロメオ・ジュニア』を発売。都内で発表会を開催した。同日はアルファ・ロメオ115周年の記念日でもあり、それを祝う形となった。

ボディサイズは全長4195mm、全幅1780mm、全高1585mmとコンパクト。現在のアルファ・ロメオはジュリア、ステルヴィオ、トナーレの3車種だが、その末っ子となる。ミトやジュリエッタが販売終了していて途絶えていたコンパクト・アルファ・ロメオの復活だ。

新型コンパクトSUV『アルファ・ロメオ・ジュニア』を発売。都内で発表会を開催。
新型コンパクトSUV『アルファ・ロメオ・ジュニア』を発売。都内で発表会を開催。    山田真人

『ジュニア』は1960年代に『GT1300ジュニア』のような形で使用されていた名称で、近年ではジュリアやステルヴィオの限定車でも採用されたもの。ちなみに、昨年4月にイタリアで発表された時は『ミラノ』だったが、イタリア政府からの横やりでジュニアに変更したという経緯がある。

日本に導入されるのは4グレード。1.2L直列3気筒ターボのマイルドハイブリッドを搭載する『イブリダ・コア』(価格420万円)、『イブリダ・プレミアム』(468万円)、『イブリダ・スペチアーレ』(533万円)と、BEVの『エレットリカ・プレミアム』(556万円)となる。スペチアーレは発売を記念した限定車だ。

マイルドハイブリッドは既にフィアット600ハイブリッドに搭載されているものと同ユニットで、マイルドを名乗るものの、低速時はモーターのみで走行が可能。システム最高出力は145psとなる。一方のBEVシステムはフィアット600eと同様。最高出力は156psで、航続距離はWLTCモードで494kmとなる。

パワーユニットが共通であることからも想像できるように、ジュニアと600はプラットフォームを共有。ポーランド・ティヒにあるステランティスの工場で、ジープ・アヴェンジャー、ランチア・イプシロンと共に作られている。

アルファ・ロメオらしさはやはりデザイン

ではアルファ・ロメオらしさをどう表現するか。それはやはりデザインであろう。今回の発表会には、チーフエクステリアARデザイナーのボブ・ロムケス氏が来日し、プレゼンテーションに登壇。その後、ラウンドテーブルでも話を聞くことができた。ロムケス氏は33ストラダーレのエクステリアデザインも担当した人物である。

キーとなるのは、ES30型SZを彷彿とさせトナーレでも表現された三眼のヘッドライト、トライローブ=三つ葉形状のフロントグリル、1960年代に見られた空力のためにリアエンドを断ち切ったコーダトロンカといった部分だ。

グリルをロゴの形で切り抜いた『盾』(スクデット)は、『プログレッソ』と呼ばれる。
グリルをロゴの形で切り抜いた『盾』(スクデット)は、『プログレッソ』と呼ばれる。    山田真人

ロムケス氏は、人間味に溢れる、感情的、直感的というキーワードを用いながら、若々しさ、機敏さや楽しさを表したと解説。顔があり、筋肉があり、肩があることで、エモーショナルなデザインとしている。

また、「コピペはしない」、「時代やトレンドを掴むデザインはしない」と断言。プラットフォームを共有するモデルも多いのでチャレンジングな部分、つまり制約もあったか聞いたが、「長いプロセスをかけてエンジニアとやり取りをしている」と自信を見せた。

確かに実車はSUVだからアクティブというよりも、形自体にどこか躍動する雰囲気がある。これまでのどのモデルとも異なるが、やはりアルファ・ロメオだと思わせるものだった。それは『スクデット』と呼ばれる、グリルの中心にある盾の存在が大きいだろう。

グリルをロゴの形で切り抜いたものが『プログレッソ』と呼ばれ、日本仕様ではBEVと限定車のスペチアーレといった上級モデルに採用される。一方グリルに往年の筆記体ロゴを組み合わせたものが、『レジェンダ』と呼ばれるものだ。

また、走行性能も特徴となるはずだが、それは別の機会で報告する。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。
  • 撮影

    山田真人

    Makoto Yamada

    1973年生まれ。アウトドア雑誌編集部からフリーランスカメラマンに転身。小学5年生の時に鉄道写真を撮りに初めての一人旅に出たのがきっかけで、今だにさすらいの旅をするように。無人島から海外リゾート、子どもからメガヨットと幅広い撮影ジャンルを持つ。好きな被写体は動くものと夕陽。

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