MG 4 EV:優秀な電動ファミリーカー アルファ・ロメオ Jr.エレットリカ:まだ宿題アリ ベスト・ファンEV(1)
公開 : 2025.03.12 19:05
技術進化とともに、バッテリーEVの運転体験も楽しさ上昇中 現実的な価格帯で探せる2025年のベスト・ファンEVは? アルファからミニ、アルピーヌまで 英編集部がベスト5を選出
もくじ
ー現実的な価格帯から選ぶベスト・ファンEV
ー5位:MG 4 EV オススメできる電動ファミリーカー
ー4位:アルファ・ロメオ・ジュニア・エレットリカ まだ宿題はある
ー楽しいことは間違いなし 制限された動的能力
ーMG 4 EV エクステンデッドレンジ(英国仕様)のスペック
ーアルファ・ロメオ・ジュニア・エレットリカ・ヴェローチェ(欧州仕様)のスペック
現実的な価格帯から選ぶベスト・ファンEV
お手頃な価格で乗れるバッテリーEVは、順調に増加中だ。遡ること2023年、英国編集部では運転が1番楽しいモデルはどれか、その頃に高評価だった6台を集めて比較している。だが、ドライバーズカーだと臆せずに呼べるクルマは、1・2台だった。
その時の優勝車は、クプラ・ボーン。日本では馴染みの薄い、フォルクスワーゲン・グループのブランドだが、アップデート後の試乗でも優れた評価は変わっていない。

では1年半が過ぎ、形勢は変化しただろうか。ヒョンデやフォルクスワーゲンは、高性能なバッテリーEVの提供へ積極的に向き合っている。アルファ・ロメオやアルピーヌも、話題になるモデルをここ1年の間に投入した。
ベスト・ファンなバッテリーEVを選ぶ、AUTOCARで2回目となる今回の比較では、現実的な価格帯から優れた5台を候補としてピックアップした。発売されたばかりのモデルと、定評を得ているモデルとの混合で。
待望の1台が、アルピーヌA290。今回は、トップグレードとなるGTSを用意した。アルファ・ロメオ初のバッテリーEV、ジュニア・エレットリカ・ヴェローチェと、進化系のクプラ・ボーン VZにも期待がかかる。
大幅に実力を増した新世代のミニ・クーパー SEも、ライバルとの比較で魅力が顕になるに違いない。登場から数年が経ったMG 4 EVは、コスパに長けたモデルとして、2025年でも一目置かれている。
それでは早速、英国編集部の4名が選んだ2025年のベスト・ファンEVを、順にご紹介していこう。
5位:MG 4 EV オススメできる電動ファミリーカー
正直、このクルマへの期待は高すぎた。最下位の5位という結果を知り、筆者の心は少し傷付いてしまった。本当に良くできたバッテリーEVだから。
航続距離は週末旅行に耐え、広々とした車内で実用性に優れ、長期保証で安心感も高い。見た目はシャープで悪くない。現実的な予算で電動のファミリーカーをお探しなら、英国では有力候補に入るに違いない。

勇気を出してディーラーを訪ね、試乗すれば、きっと驚ける。思いがけず、運転が楽しいことへ気付くはず。ステアリングは自然で、ボディは気持ち良く向きを変える。高速コーナーでは、後輪駆動らしいシャシー・マナーを滲ませる。お値段以上に面白い。
初めてMG 4 EVへ試乗した時、筆者はそう感じた。今でも変わらない。同僚の多くも、そう思っている。乗り心地や操縦性は、残りの4台へ劣らない。日常との親和性と動的能力の、絶妙なブレンドにある。
しかし、航続距離の長いエクステンデッドレンジを持ってしても、トップ3に食い込むことはできなかった。それは、走りの退屈な電動ハッチバックなのではなく、比較対象より楽しさが控えめだっただけに過ぎない。
選ぶのはベスト・ファンEVだから、運転体験の優先度は高い。ドライバーとの一体感や、遊び心を感じさせるシャシーの反応。それらが1歩届かなかった。
たとえ5位でも、MG 4 EVはオススメできる電動のファミリーカーではある。よりドライバーの方を向いた残りの4台に対し、評価を伸ばしきれなかっただけだ。