プジョーに流れる時間は、想像をはるかに超える速さ!CEOの声やコンセプトから占う近未来【スーパーカー超王が斬る】

公開 : 2025.12.26 11:45

未来に向けて示す方向性を提案

そのような未来のビジョンを具現化して、先日発表されたのが『プジョー・ポリゴン・コンセプト』とネーミングされたコンセプトカーだ。

ガルウイング式のドアを持つ、流麗なボディデザインが与えられたこのモデルには、プジョーが未来に向けて示す方向性、『アジル(俊敏性)』、『ファン(走りの楽しさ)』、そして『フューチャープルーフ(未来への対応)』が見事なまでに提案されている。

先日発表された『プジョー・ポリゴン・コンセプト』と呼ばれるコンセプトカー。
先日発表された『プジョー・ポリゴン・コンセプト』と呼ばれるコンセプトカー。    ステランティス

その象徴的存在ともいえるのが、四角形のデザインを採用し、さまざまな電子制御システムや主要なコントロールにアクセスが可能としたステアリングホイール、『ハイパースクエア』だ。

WECの時点でファヴェ氏は、「近い将来、プジョー車のステアリングは丸型ではなく四角形のデザインになるかもしれません」と、その登場を予告していたが、ここまで早くそれが具現化されたことには、やはり大きな驚きを感じてしまう。プジョーというブランドに流れる時間は、想像をはるかに超える速さを持っていたのだ。

さらに存在感を強めていく

現在日本市場に導入されているプジョー車は、ベーシックラインを担当する『208』に始まり、『308』、『308SW』、『408』、『2008』、『3008』、そして『リフター』の各モデル。

ファヴェ氏が来日したWECでは、既報のとおり208シリーズに設定されるBEVの『e-208』をベースに、プジョー・スポールが独自のチューニングを施して誕生したホットハッチ、プジョー伝統の『GTi』の称号を受け継ぐ『e-208GTi』のジャパン・プレミアも実施。今後はより趣味性の強い電動化モデルが、各々のシリーズに追加されていく可能性があることも強くアピールされた。

プジョーe-208GTiのジャパン・プレミアに登場したアラン・ファヴェ氏。
プジョーe-208GTiのジャパン・プレミアに登場したアラン・ファヴェ氏。    ステランティス・ジャパン

プジョーは、これからますます面白く、そして世界でさらに存在感を強めていくブランドになるだろう。もはやこのブランドの動向から目を離すことなどできない。それこそが私自身が今、心の中で抱いている正直な感想だ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    山崎元裕

    Motohiro Yamazaki

    1963年生まれ。青山学院大学卒。自動車雑誌編集部を経て、モータージャーナリストとして独立。「スーパーカー大王」の異名を持つ。フツーのモータージャーナリストとして試乗記事を多く自動車雑誌、自動車ウェブ媒体に寄稿する。特にスーパーカーに関する記事は得意。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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