祖父から受け継いだランチア・デルタHFターボ 窓は動かない、でも「それがイタリア車ですから!」
公開 : 2026.01.17 11:45
祖父が大切に保管していた1988年式ランチア・デルタHFターボを受け継いだ英国のサイモン・ウェブリングさん。インテグラーレではないけれど、運転は最高に楽しいとのこと。オーナーへのインタビューです。
大切に保管され、走行距離9万km
多くのクルマ好きが自腹を切って愛車を手に入れる中、サイモン・ウェブリングさんは幸運にもランチア・デルタHFターボを相続した数少ない1人だ。
「これは祖父のクルマでした」とサイモンさんは言う。「1988年に新車で購入したものです。その時に下取りに出したのは、維持費が高く、信頼性の低かったロータス・エスプリ・ターボでしたね。祖父はこのデルタで、わたしに運転を教えてくれました。デルタとは楽しい時間を過ごしましたよ。3年前に祖父が亡くなった時、このクルマはわたしのものになりました。売却するなんて、とても考えられませんでした。思い出が多すぎるんです」

このデルタは1988年に英国で新車登録されたものだが、走行距離はわずか9万kmだ。ガレージで大切に保管されてきたため、ランチアとしては非常に良好な状態を保っている。
「ドアの下部と給油口周りに少し錆が浮いていますが、それ以外は素晴らしい状態です。祖父がヘッドライトウォッシャーの片方のモーターを修理に出したんですが、そのまま戻ってこなかったので、両側のウォッシャーアームは外してあります。グリルに穴が開いているのはそのためです。電動フロントウィンドウは動きませんが、そこはまあ、イタリア車ですからね!」
HF4WDやHFインテグラーレが登場する前、デルタシリーズではHFターボが最上位モデルだった。サイモンさんの車両は、140psを発生する1.6Lのターボチャージャー付き4気筒エンジンを搭載している。
「以前はもっとスピード感があったと思います。最近は、少しパワーが落ちているように感じます。今度、ウェールズにあるデルタの専門店に点検を依頼するつもりです」
イタリア車らしさ、デルタらしさを存分に楽しむ
マルティニのデカールは、サイモンさんの祖父が後から貼ったものではない。実はこれは、1984年にミドシップエンジン搭載のラリー037のWRC優勝を記念して設定されていた純正オプションである。
しかし、驚くべきことに、インテリアのレイアウトはメーカー純正ではない。「(英国の)ランチアのディーラーが右ハンドルに改造したんです」とサイモンさんは説明する。

「ダッシュボードを交換するとき、配線やケーブルは延長されなかったため、無理に引っ張られたり挟まれたりしました。多くの個体で電気系統のトラブルが発生しました」
オリジナルのHFモデルは控えめな外観だが、1985年発売のHFターボではサイドスカートとラジエーターグリルに赤い文字で車名があしらわれた。1986年のモデルチェンジでは、フォグランプ一体型の洗練されたグリルと新デザインの8穴のアルミホイールが採用された。
しかし、サイモンさんが指摘するように、いくつかの装備は単なる装飾品だった。「下部グリルはエンジンではなく車内へ空気を送るだけで、ボンネット後端の2つのエアスクープのうち片方は塞がれているんです」
サイモンさんは魅力的なマシンに事欠かない。普段使いは2016年式メルセデス・ベンツC 350eで、他にもサーキット走行用の2005年式スバル・インプレッサ・ターボ、2009年式ドゥカティ848がある。それでも、デルタの運転が大好きだという。
「古いサスペンションで少し揺れますが、それ以外は運転していて気持ちよく、思いっきり走らせるのが楽しいんです」
「でも、ガタガタ音がひどいんですよね。祖父がパネルの隙間にスポンジを詰めて音を消そうとしたんですが、わたしはそれを外しています。これがデルタなんだ!とね」












