46歳編集記者 vs 21歳アルピーヌF1ドライバー(前編) まさかの体力勝負!「ただ生きて帰りたいと思った」

公開 : 2026.01.23 17:05

誰よりも努力して技術を磨く

首の側面を鍛えた後は、背面のトレーニングに移る。F1マシンの強烈なブレーキングで、頭が前方に投げ出されるのを抑えるのは至難の業だ。筆者はこちらの方が得意で、14.7kgでランジできた。するとアロンは26kgを軽々と引っ張り、またしても筆者を打ち負かした。

次のエクササイズは下半身の筋肉を鍛えるものだ。320km/hで走行中のF1マシンを停止させるブレーキ操作に必要となる。これは横たわるタイプのウェイトマシンを使用した。

首の筋力トレーニングに挑む筆者。頭に繋いだケーブルで重りを引っ張る。
首の筋力トレーニングに挑む筆者。頭に繋いだケーブルで重りを引っ張る。    AUTOCAR

ル・ヴィエネスさんは片足をパネルに押し付けるよう指示する。ロックが解除されると膝を曲げた状態でパネルを支え、素早く10回押し上げる。確かに、F1マシンで急ブレーキを踏む感覚に近い、かなりのハードワークである。

アロンによると、ブレーキを踏むのに必要な力はカテゴリーが上がるごとに変化するという。F3マシンはスチール製ブレーキを使用するため「ペダルを全力で踏み込めば問題ない」が、F2のカーボン製ブレーキはマシンに対して強力すぎるため「強く踏みすぎると逆効果になる」と説明する。

言うまでもなく、アロンは大量のウェイトを装着しても軽々とこなしてしまった。

彼のフィットネスへのこだわりは明らかだ。そこには自動車レースを始める前、学生時代にサッカーで学んだ教訓があった。「僕が所属していたチームは、エストニアの年齢別選手権で何度か優勝したことがあるんです」

「チームメイトと比べて技術的には決して優れていませんでしたし、その自覚もありました。ただ、僕は誰よりも練習したんです。それがポジションを維持する秘訣でした。ミッドフィルダーとして、常に走り回っていました」

努力と技術を組み合わせることの重要性を体で学んだからこそ、彼はフィットネスに力を注ぐ。

(翻訳者注:この記事は「後編」へ続きます)

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    役職:雑誌副編集長
    英国で毎週発行される印刷版の副編集長。自動車業界およびモータースポーツのジャーナリストとして20年以上の経験を持つ。2024年9月より現職に就き、業界の大物たちへのインタビューを定期的に行う一方、AUTOCARの特集記事や新セクションの指揮を執っている。特にモータースポーツに造詣が深く、クラブラリーからトップレベルの国際イベントまで、ありとあらゆるレースをカバーする。これまで運転した中で最高のクルマは、人生初の愛車でもあるプジョー206 1.4 GL。最近ではポルシェ・タイカンが印象に残った。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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