夏季は高評価、では冬季の性能は? ミシュランのオールシーズンタイヤ『クロスクライメイト3』を達人がテスト

公開 : 2026.02.16 07:05

ノーズの乱気が変わっていく感じ

圧雪定常旋回路は、CCM3スポーツ、CCM2、Xアイス・スノーを履くアウディA3クワトロに225/40R18の組み合わせで試乗した。

もっとも差を感じたのはコースイン時で、Xアイスがもっともグリップ感が強く、CCM2とCCM3スポーツは感覚的にほぼ同じ。コンパウンドグリップはわずかにCCM2が上な気がしたが、トラクションとクルマの向きの変わりやすさがいいのはCCM3スポーツ。トータルとしてCCM3スポーツのコントローラブルさを強く印象付けられた。

圧雪定常旋回路では、アウディA3クワトロに試乗。
圧雪定常旋回路では、アウディA3クワトロに試乗。    日本ミシュランタイヤ

総合テストコースでは、氷盤ブレーキから傾斜路の登り下りのスラローム。試乗車は、CCM3の206/55R16を履いたトヨタカローラスポーツ(FWD)。CCM3スポーツとCCM2の比較試乗が225/40R18を履いたフォルクスワーゲン・ゴルフ(FWD)という組み合わせだ。

いずれも軽快にスラロームを走ることができた。横方向のグリップとトラクションを強く感じたのはCCM3。コンパウンドの横グリップと、トレッドデザインが作りだすトラクションがいずれも強く、大げさに言うとノーズの乱気が変わっていく感じだ。

元々グリップの限界域で自転したがる動きを見せるカローラスポーツだが、リアタイヤのグリップがクルマの安定性を作っており、不安定な動きを上手に消していた。

タイヤにとってバランスが大切だと実感

CCM3スポーツとCCM2の比較では、グリップレベルはほぼ同じくらいの印象。だが、CCM3スポーツのほうが、ステアリングを切り込んでからリアが応答するまでが速く、これが軽快な曲がりやすさを作り出していると思われる。

自分の疑問に対し結論めいたことを書くと、CCM3、CCM3スポーツは、ケース剛性やスチールベルトアングル、トレッドデザイン、ブロック剛性など、応答や手応えに影響する部分をチューニンングすることで、トラクション、インフォメーション性、応答性を良くして、コンパウンドグリップだけに頼らない、操縦性、安定性を作り出しているということなのだろう。

クロスクライメイト3は、ケースとトレッドコンパウンドが高いレベルでバランスされている。
クロスクライメイト3は、ケースとトレッドコンパウンドが高いレベルでバランスされている。    日本ミシュランタイヤ

つまり、CCM3、CCM3スポーツはケースとトレッドコンパウンドをとても高いレベルでバランスさせることで、冬性能まで作り込んだオールシーズンタイヤということだ。

改めて、タイヤにとってバランスが大切なのだというのを実感した試乗となった。

記事に関わった人々

  • 執筆

    斎藤聡

    1961年生まれ。学生時代に自動車雑誌アルバイト漬けの毎日を過ごしたのち、自動車雑誌編集部を経てモータージャーナリストとして独立。クルマを操ることの面白さを知り、以来研鑽の日々。守備範囲はEVから1000馬力オバーのチューニングカーまで。クルマを走らせるうちにタイヤの重要性を痛感。積極的にタイヤの試乗を行っている。その一方、某メーカー系ドライビングスクールインストラクターとしての経験は都合30年ほど。

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