『スバル・デジタルカー』とは ドイツ・インフィニオンと協業強化 次世代アイサイトは単なるADASを超える?
公開 : 2026.03.27 11:25
3月26日、スバルはドイツ『インフィニオンテクノロジーズ』と共同技術説明会を実施。主な内容は3月9日に発表された、車載マイクロコントローラーの設計に関する協業についてです。桃田健史がレポートします。
車載マイクロコントローラー設計で協業
スバルが、新たなる分野へ大きな一歩を踏み出した。
ドイツの『インフィニオンテクノロジーズ』と3月26日、都内で共同技術説明会を実施。主な内容は、3月9日にニュースリリースが発表された、車載マイクロコントローラーの設計に関する協業についてだ。

副題として、ADAS(先進的運転支援システム)と車両運動の領域を連携、連動する制御統合ECUに搭載するとの記載がある。具体的には、2020年代後半に量産を目指す次世代アイサイトとAWD制御を含めた車両運動制御を連携する仕組みを構築するということだ。
会見では、最初にスバル側が先に登壇した。
執行役員CDCO(最高デジタルカー責任者)で技術本部副本部長スバル・ラボ(SUBARU Lab)所長の柴田英司氏は、スバルが顧客に提供する価値は「安心と愉しさ」だと強調した。
これがスバル70年の歴史におけるクルマ作りの哲学、『人を中心としたクルマづくり』が目指す姿だ。
スバル車の技術的な構成要素を挙げれば、水平対向エンジン、シンメトリカルAWD、スバル・グローバルプラットフォーム、バッテリーEV、ストロングハイブリッド、そしてアイサイトなど、まさに『スバルらしい技術』が支えてきたと言える。
そうしたスバル車の素性の良いメカの機能性をデジタル技術で進化させる。つまり、メカとデジタルを内製で徹底的に融合させ、他のブランドとの差別化を狙う。
これを『スバル・デジタルカー』と呼ぶ。
2024年車載半導体市場でシェアトップ
スバル・デジタルカーのコア(核心)は、『アイサイト×AI』や『車両制御×アイサイト』だ。
だたし、これまでパワートレイン、ADAS、衝突安全、走りの進化などでの部門最適を突き詰め、それらを結合する形でスバルはクルマを作ってきた。そこにデジタルデータ、IT、AI、ソフトウェア、半導体技術などによって深い融合を実現しようというのだ。

重要なのが、半導体だ。2024年の車載半導体市場における企業別シェアを見ると、トップがインフィニオン。また、車載マイクロコントローラーでも同社がトップである。
柴田氏によれば、実はスバルは現行アイサイトでもインフィニオンと協業しており、今回は最新マイクロ・コントローラー・ユニット(MCU)『AURIX TC4x』の開発初期段階からスバル車への最適化を前提に、インフィニオンの設計に参画してきた。
では、具体的にどんな量産技術が生まれるのか。
「あくまでもイメージ」(柴田氏)として、北海道のスバル・テスト施設で雪道の圧雪路をハンズフリーで走行する動画が公開された。雪道ではクルマが周辺状況を把握することが難しいとされているが、ステレオカメラによる立体視とAI推論結果を組み合わせることで、テスト環境での実験は成功している。
今後、演算能力が高いインフィニオン『AURIX TC4x』での量産開発では、雪道に限らず「ドライバーがワクワク楽しく、しかも安心安全で長時間ドライブでも疲れにくい」ユーザー体験をスバルが創出していくという。
次世代アイサイトは単なるADAS機能を超えた、スバル・デジタルカーの真髄になるだろう。





















































