メルセデス・マイバッハとAMG、哲学が異なる両者の共存は成立する? 『SL680モノグラム』で感じた複雑な想い【スーパーカー超王が斬る】

公開 : 2026.04.21 11:45

マイバッハ・モードが選択可能に

ダイナミックセレクトで、新たにマイバッハ・モードを選択することが可能になったのも、このモデルの大きな特徴だ。

このモードを使用するとフロントに搭載される4LのV型8気筒ツインターボエンジンや、それに組み合わされる9Gトロニックの制御がより穏やかになり、同時にサスペンションもより乗り心地を重視したセッティングに変化する。その走りはまさに静かな水上を優雅に進むクルーザーもイメージさせてくれる。

パワートレインは4LのV型8気筒ツインターボに9Gトロニックの組み合わせ。
パワートレインは4LのV型8気筒ツインターボに9Gトロニックの組み合わせ。    平井大介

しかし、メルセデスAMGの作にメルセデス・マイバッハが手を加えたことに対する複雑な気持ちは、ドライブ中に常に自分の胸の中から消えることはなかった。走りの中で感じる、SLというモデルがそもそも持つスポーツ性は残念ながら稀薄に感じられ、それはスポーツモードを選んでも大きく印象は変わらない。

マイバッハ独自の設定によるアクティブライドコントロールサスペンションも、メルセデスAMGが理想とするスポーツカーのそれとはやや異なるフィーリングを伝えてくる。

メルセデスAMGの名誉のために

メルセデス・マイバッハには現在、ほかに『Sクラス』、『GLS』、『EQS SUV』をベースとしたモデルがラインナップされており、それらはいずれも彼らが主張するとおり世界屈指ともいえる究極のラグジュアリーを実現したモデルとして知られている。

だがこのSLを素材としたことは、やはり個人的に抵抗を感じたのも事実。メルセデスAMGの領域には、いかにメルセデス・マイバッハとはいえ、そこに踏み込むことは禁断の行為だった。メルセデスAMGの名誉のために、筆者はここにそう断言したい。

メルセデスAMGの領域に踏み込むことは、禁断の行為だった。
メルセデスAMGの領域に踏み込むことは、禁断の行為だった。    平井大介

記事に関わった人々

  • 執筆

    山崎元裕

    Motohiro Yamazaki

    1963年生まれ。青山学院大学卒。自動車雑誌編集部を経て、モータージャーナリストとして独立。「スーパーカー大王」の異名を持つ。フツーのモータージャーナリストとして試乗記事を多く自動車雑誌、自動車ウェブ媒体に寄稿する。特にスーパーカーに関する記事は得意。
  • 撮影 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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