物議を醸したBMW 29選(前編) かわいいバブルカーから高価すぎたスポーツカーまで 世間を驚かせた奇抜設計

公開 : 2026.05.04 11:05

BMW 700(1959年)

BMWはかつて、リアアクスルの後方に697ccの2気筒エンジンを搭載した小さなクルマによって、ほぼ確実視されていた倒産の危機から救われたことがある。現代のBMW愛好家がこの事実を知ったら、驚くのではないだろうか。

700は主にセダンとして販売されたが、クーペ(写真)やカブリオレもラインナップされ、6年間で約19万台を売り上げた。これは経営難を乗り越えるには十分すぎる数字だった。700のようなモデルは後にも先にも存在しないが、もし発売されていなければ、BMWというブランド自体が消滅していたかもしれない。

BMW 700(1959年)
BMW 700(1959年)

BMW 2002ターボ(1973年)

02シリーズの発売から7年が経過した頃、2002ターボが発表された。このモデルは、それまで「ターボラグ」という言葉を聞いたこともなかった人々に、その概念を初めて知らしめることとなった。当時としては非常にパワフルだったが、燃費も非常に悪く、オイルショックに突入した時代には不利に働いた。

今日、BMWは「これほど時代の精神に反するクルマを作ってしまったことは、他にほとんどなかった」と認めている。2002ターボはわずか1672台で生産中止となったが、02シリーズの総生産台数86万1940台に比べれば、もはや誤差のような数字である。

BMW 2002ターボ(1973年)
BMW 2002ターボ(1973年)

BMW 3.0 CSL(1973年)

当然のことながらBMWが違法なクルマを販売しているわけではないが、正直、3.0 CSLに関してはそれに近いものだった。E9クーペをベースにした軽量なホモロゲーションスペシャルで、欧州ツーリングカー選手権(ETC)への参戦が認められる最低限の台数のみが生産された。

非常に大きなリアウィングが特徴だが、当時のドイツの公道では禁止されていたため、BMWはトランク内にこれを収納して販売した。公道上では外した状態で走行し、サーキット走行前にトランクリッドに取り付けることができた。純正部品であったため、ETCの規則に反することはなかった。

BMW 3.0 CSL(1973年)
BMW 3.0 CSL(1973年)

BMW M1(1978年)

M1は、20年近く前に登場した700と同様に、センセーショナルな1台だった。その3.5L直列6気筒エンジンは、乗員とリアアクスルの間に搭載されている。BMWがこれまで採用したことのないレイアウトであり、2014年のi8まで再び採用されることはなかった。

市販車は460台が生産され、その多くはレースに使用された。ワンメイクのプロカー選手権(1979年はニキ・ラウダ、1980年はネルソン・ピケが優勝)も開催された。

BMW M1(1978年)
BMW M1(1978年)

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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