【休日クラシック・ポルシェ・アーカイブ #17】1974年ポルシェ911カレラ RS 3.0「ティートレイテール、ホエールテールという愛称」

公開 : 2026.06.14 09:11

世界的な人気モデルとして支持され、サーキットでも数えきれぬ栄光の記録を刻んできたポルシェ。土日祝日の午前9時11分に公開する、そんなポルシェの足跡を膨大なアーカイブと共に振り返る連載です。#17は『1974年ポルシェ911カレラ RS 3.0』です。

1974年ポルシェ911カレラ RS 3.0

911カレラRS 2.7は、車両公認を得て競技用の911カレラ RSR 2.8へと進化する。

しかし、ライバルたちも戦闘力を高めており、1974年のレースで優位性を維持することは厳しかった。

1974年ポルシェ911カレラ RS 3.0
1974年ポルシェ911カレラ RS 3.0    ポルシェ

そこで新たなベースモデルとして、排気量を2993ccまで拡大した911カレラRS 3.0を製作する。911カレラRS 2.7でグループ3の公認を得ていたため、そのエボリューションモデルとなる911カレラRS 3.0は100台を製作すれば公認が得られたのである。

ポルシェ911カレラ RS 3.0は、デチューンされた3.0リッターRSRエンジンを搭載する。吸気ポートが拡大された新しいシリンダーヘッドを備え、クランクケースはマグネシウム製から剛性の高いアルミ製に変更され、燃料供給はボッシュ・クーゲルフィッシャー製の機械式燃料噴射システム(カレラRS 2.7と同じもの)を用いる。ストリート用エキゾーストが組まれ、公道用のベースモデルで230hpを発揮した。

ブレーキは、無敵だった917のシステムが流用され、ドリルド・ローターとともに、巨大な4ピストンアルミ製キャリパーユニットを備える。フロントに8.0インチ幅、リアに9.0インチ幅のホイールを装着するため、前後フェンダーはさらに拡大され123mm幅広となった。太径のリア・トーションバーと、強化されたアンチロールバーが組まれた。

車重はわずか900kg

車体の軽量化も推し進められ、通常の911と比べてルーフ外板、ドア外板、シートリセスなどの板厚がより薄くされ、サイドとリアウィンドウは薄板ガラスとされた。

さらには追加オイルクーラーの開口部まで一体成型されたフロントバンパー・スカート、リアバンパー、トランクリッド、およびリアリッドをGRP(ガラス繊維強化プラスチック)に置き換え、車重はわずか900kgに抑えられた。

エンジンフードにはダックテールに代わり固定式の大型のウィングが採用され、このタイプは『ティートレイテール』や『ホエールテール』という愛称で呼ばれるようになる。

フロントバンパーに配された『PORSCHE』の文字ロゴと、ボディサイドの『Carrera』のレタリング、ホイールディッシュ部分はゴールドとされ、RS 3.0であることを主張していた。

ポルシェはこの競技用ベースモデルを109台生産し、そのうち55台がカレラRS 3.0、54台がワイドボディのカレラRSR 3.0とされた。

●空冷水平対向6気筒 2993cc ●230hp ●240km/h

(当連載は、基本的に土日祝日の午前9時11分に公開しています)

記事に関わった人々

  • 執筆

    上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。

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