『GRヤリスMコンセプト』を渡辺敏史が取材(前編) 注目はトヨタ初のリアミドシップ4WDと次世代内燃機関

公開 : 2026.06.06 11:45

なるべく小さく軽く仕上げたい

齋藤さんは同様に幅側の制約がリアサスの形式にも及んでいることを明かす。ダブルウイッシュボーンやマルチリンクなどは重量も嵩み幅も要するということで、なるべく小さく軽く仕上げたいというMコンセプトの趣旨とは相容れない。

ということで試作車では敢えてストラットとして全幅、すなわちリアトレッドをGRヤリスのプラス50mm程度に収めているという。そこから推するに現時点での全幅は1850mm前後ということになるだろうか。

GRヤリス全般の開発を担当する齋藤尚彦チーフエンジニア。
GRヤリス全般の開発を担当する齋藤尚彦チーフエンジニア。    トヨタ自動車

試乗コースとなったのは、トヨタテクニカルセンター下山の第三周回路だ。他施設に先駆けて2019年から運用を始めているこのコースは、山中の地形を活かしてニュルブルクリンクと同質の過大な入力が連続的に掛かるよう設計されるなど、メーカーの施設としてその厳しさは世界的にも屈指のものとなっている。

同乗のドライバーを務めてくれるのは大嶋和也選手と佐々木雅弘選手だ。共にGRブランドのレース活動にも携わりながら、GRヤリスの開発にも関与している。

そんなふたりであっても、コースをいつでも限界域で走れるわけではない。開発のための課題の炙り出しやその再現のために定常的で正確な周回を求められることもある。それがメーカーの車両開発における実験走行の大義だ。

この日はそういう縛りは一切なしということで、両ドライバーも心なしか伸び伸びとクルマを走らせているように感じられた。

*『GRヤリスMコンセプト』を渡辺敏史が取材(後編)に続きます。

記事に関わった人々

  • 執筆

    渡辺敏史

    Toshifumi Watanabe

    1967年生まれ。企画室ネコにて二輪・四輪誌の編集に携わった後、自動車ライターとしてフリーに。車歴の90%以上は中古車で、今までに購入した新車はJA11型スズキ・ジムニー(フルメタルドア)、NHW10型トヨタ・プリウス(人生唯一のミズテン買い)、FD3S型マツダRX-7の3台。現在はそのRX−7と中古の996型ポルシェ911を愛用中。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事