中国産でも『らしさ』は表現できる? 4代目『ホンダ・インサイト』に込められた作り手の思い(後編)

公開 : 2026.06.12 11:45

「作っているのは同じ人間です」

今回、中国生産ということで、デザインなど全てが中国側での意志で作られたと言われることが多いそうだが、先に述べたように日本側から匠の技術も入っており、そもそも開発をまとめたのは生粋のホンダ好きだ。

「作っているのは同じ人間ですので」と小池さんは語る。つまり、肝心なのは『どこで』作っているかではなく、『誰が』作ったかなのだ。

3000台限定となる現在の販売状況は「計画どおり」となっている。
3000台限定となる現在の販売状況は「計画どおり」となっている。    平井大介

正直に書けば、EV販売比率が他主要市場より極端に低い日本市場において、インサイトのが売れるかは未知数だ。限定販売というあたりに、ホンダが捉える現実が見え隠れする。現在の販売状況(5月末の取材時点)は「計画どおり」とのことだが、ガソリン代の不安定さや、政府や自治体の補助金充実という追い風も吹いている。

ただ、価格だけでいえば日産リーフには518万8700円のB7Xがあり、少しサイズは小さいがもっとリーズナブルなスズキeビターラもある。輸入車勢にもコンパクトEVは結構多い。

インサイトという言葉には『本質を見抜く』という意味があるが、『ホンダらしさ』という本質は、ユーザーにどれだけ伝わるのか。少なくとも今回の取材で、作り手が込めた思いを感じることができたのは、確かなのであった。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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