新型ホンダ・インサイトのベースは中国製『e:NS2』 開発責任者らが語る「中国任せではない」日本仕様

公開 : 2026.03.05 11:05

3月5日、ホンダは今春に発売を予定している新型乗用EV『インサイト』に関する情報をWEBサイトで先行公開しました。発売に先立ち、3月19日より先行予約の受付を開始します。篠原政明が関係者に話を伺いました。

東風ホンダで製作している『e:NS2』がベース

3月5日、ホンダは2026年春に発売予定のアッパーミドルクラス新型EV『インサイト』の事前情報を公開した。

メディアに向けた事前取材会で、商品企画担当の小田建氏と開発責任者の小池久仁博氏に話を伺えたので、(オフレコではない)裏ネタ的な話を紹介しておこう。

新型ホンダ・インサイトの開発責任者、小池久仁博氏。
新型ホンダ・インサイトの開発責任者、小池久仁博氏。    平井大介

新型インサイトは、中国の東風汽車とホンダの合弁会社である東風ホンダで製作している中国製の『e:NS2』がベースだ。もしくは、e:NS2の日本仕様とも言い換えられるだろう。

インサイトのスペックなどの詳細は未発表だが、小池氏は「e:NS2と基本的に変わらない」と語っており、違いはステアリング位置や車名エンブレム、そして日本の保安基準に合わせた小変更といったところだろう。

では、なぜ『e:NS2』ではなく『インサイト』という車名になったのか? それは、歴代インサイトのホンダにおける立ち位置にあったようだ。

1999年、ホンダ初の量産ハイブリッド車として初代インサイトが誕生し、2009年に登場した2代目は実用的な5ドアハッチバックのハイブリッド車に。2018年の3代目は上級4ドアセダンとなり、ハイブリッドシステムも2モーターに進化した。

その後、N-VAN e:とN-ONE e:で軽EV市場に参入し、2027年度からは『ゼロ』シリーズで日本のEV市場を牽引しようとするホンダが、ジャパンモビリティショー2025でお披露目した『スーパーワン』とともにホンダEVの認知を高める存在となるクルマとして、この『インサイト』を選んだというわけだ。

つまりホンダにとってインサイトとは、歴代『電動化の先駆者(車)』として時代のニーズを洞察(INSIGHT)してきた歴史ある特別なクルマであり、その名前を継承させることで、このクルマに対するホンダの思い入れを表しているのだろう。ちなみに新しい車名の候補もあったそうだが、インサイトに落ち着いたようだ。

サイズ的はCセグでも内容はアッパーミドル

日本仕様のスペックは発表されていないが、中国仕様のe:NS2は全長4787mm、全幅1838mm、全高1570mm、ホイールベースは2735mm。サイズ的には、全高こそ少し低いがCR-Vとほぼ同じ。だがCR-VはCセグメントと謳っているのに対し、このインサイトはアッパーミドルと謳っている。

その違いはサイズによるものではなく、インテリアヒーターやボーズ・サウンドシステム、アロマディフューザーにアンビエントライトなど、充実した装備によるポジショニングの差でもあるという。実際、EVであることを考慮しても、価格帯はCR-Vよりは上になることは間違いなさそうだ。

新型ホンダ・インサイトで商品企画を担当した小田建氏。
新型ホンダ・インサイトで商品企画を担当した小田建氏。    平井大介

また、新型インサイトは3000台の限定販売。これは、日本市場のEVの普及度合いや、アッパーミドルEVのボリュームを考えると妥当ではないかと、比較的堅めの数値として、この台数を決定したという。現時点ではなお、3000台以上のオーダーがあっても追加生産はしないとアナウンスされている。

ちなみに、中国におけるe:NS2の車両価格は350~360万円くらいからだという。もちろん日本では輸入車となるし、為替の問題や装備の違いなどもあるから、それよりは高額になるだろう。それでも日本ではライバルとなるトヨタbZ4X(FWDは480万~550万円)や日産アリア(同659万100~738万2100円)、テスラモデルY(RWDは531万3000円)と勝負できる価格を検討しているようだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    篠原政明

    Masaaki Shinohara

    1958年生まれ。某自動車雑誌出版社をめでたく? 卒業し、フリーランスのライター&エディターに。この業界に永くいるおかげで、現在は消滅したものを含めて、日本に導入されている全ブランドのクルマに乗ってきた……はず。クルマ以外の乗りものもけっこう好きで、飛行機や鉄道、さらには軍事モノにも興味があるらしい。RJC会員。
  • 撮影 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

関連テーマ

おすすめ記事