アルピナの系譜を継ぐ99台 ボーフェンジーペン・ザガート(2) 一族の哲学がMモデルと融合 伝統を重んじた未来へ

公開 : 2026.06.19 18:10

フェラーリ550 マラネロの再来と表現したい

あいにく今回の試乗では、RWDモードにし、コースを思い切り攻め込むことは叶わなかった。時間は限られ、先導車に続く必要があったからだ。

それでもFR状態に切り替え、ダンパーをスポーツプラス・モードにすれば、公道で流暢な運転体験に魅了されるであろうことは想像に難くない。天候不問の、高速クルーザーになるであろうことも。

ボーフェンジーペン・ザガート(欧州仕様)
ボーフェンジーペン・ザガート(欧州仕様)

乗り心地は、確かに通常のM4より優しい。しかし、根底には同等の締りがある。それが、高い一体感と精緻な操縦性を生んでいる。より親しみを持てる体験でもあり、豊かなトルクと相まって、フェラーリ550 マラネロの再来と表現したくなる。

生産数は99台限り。いつか自由に走らせてみたいところだが、叶うだろうか。極めて美しく仕上げられ、トラッドな系譜を受け継ぐクーペを堪能できる人は、幸運といえる。ボーヴェンジーペン家は、伝統を重んじた未来へ進み始めた。

ボーフェンジーペン・ザガート(欧州仕様)のスペック

英国価格:約31万9000ポンド(約6699万円)
全長:4943mm
全幅:1913mm
全高:1394mm
最高速度:299km/h以上
0-100km/h加速:3.3秒
燃費:9.6km/L
CO2排出量:235g/km
車両重量:1875kg
パワートレイン:直列6気筒2993cc ツインターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:610ps/7200rpm
最大トルク:71.2kg-m/2500rpm
ギアボックス:8速オートマティック/四輪駆動

ボーフェンジーペン・ザガート(欧州仕様)
ボーフェンジーペン・ザガート(欧州仕様)

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    役職:ロードテスト副編集長
    2017年よりAUTOCARでロードテストを担当。試乗するクルマは、少数生産のスポーツカーから大手メーカーの最新グローバル戦略車まで多岐にわたる。車両にテレメトリー機器を取り付け、各種性能値の測定も行う。フェラーリ296 GTBを運転してAUTOCARロードテストのラップタイムで最速記録を樹立したことが自慢。仕事以外では、8バルブのランチア・デルタ・インテグラーレ、初代フォード・フォーカスRS、初代ホンダ・インサイトなど、さまざまなクルマを所有してきた。これまで運転した中で最高のクルマは、ポルシェ911 R。扱いやすさと威圧感のなさに感服。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

ボーフェンジーペン・ザガートの前後関係

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