新たな歴史を刻む2台の『S』モデル アストン マーティンらしいパフォーマンスへの取り組みとは?

公開 : 2026.03.31 07:05

アストン マーティンは先日、伝統に新たな歴史を刻む2台の『S』モデルに関するジャパン・プレミアを開催しました。このために来日した関係者への取材を元に、スーパーカー超王こと山崎元裕が解説します。

世界でも特に厳しい評価が下される日本市場

東京都港区にあるアストン マーティン青山ハウスで2月26日、伝統のアストン マーティン『S』モデルに新たな歴史を刻む、2台のニューモデルに関するジャパン・プレミアが行われた。

当日はアジア太平洋およびグレーターチャイナ担当のリージョナル・プレジデント、カール・ベイリス氏と、イギリス・ゲイドンの本社からこのために来日した、プロダクトマネジメント責任者のニール・ヒューズ氏が出席。アンベールに先立って、両氏によるプレゼンテーションとメディアを交えたラウンドテーブルの時間が用意された。

伝統のアストン マーティン『S』モデルに新たな歴史を刻む2台を日本初公開。
伝統のアストン マーティン『S』モデルに新たな歴史を刻む2台を日本初公開。    アストン マーティン

冒頭で檀上に立ったベイリス氏がまず強調したのは、日本がアストン マーティンというブランドにとって、極めて重要な市場として認識されていることだった。

「クラフトマンシップやパフォーマンスに対して、世界の中でも特に厳しい評価が下される傾向にある日本は、アストン マーティンにとって特別な市場です。我々が1953年に発表したDB3Sから継承してきたSのバッジは、単に既存モデルの高性能版を意味するものではありません。

ドライビングダイナミクスやエアロダイナミクス、ハンドリングなどの要素も含めた多次元的なアップデートが施すことで、スポーティなアイデンティティが完全に強化されたことを示しています。日本のカスタマーにもきっと高く評価して頂けるでしょう」

経営とエンジニアリングのさらなる効率化

今回日本初公開された2台のSモデルは、DBXがベースとなる『DBXS』と、ヴァンテージがベースの『ヴァンテージS』の両車。既に本国ではそれに続いてDB12のラインナップに『DB12S』が追加設定されているが、こちらもほどなく、日本市場に導入されるだろう。

この日ベイリス氏とともにプレゼンテーションを行ったヒューズ氏は、その開発にあたっての経緯や、商品の魅力をこのように説明している。

アストン マーティン・ヴァンテージS
アストン マーティン・ヴァンテージS    アストン マーティン

「2024年に新CEOのエイドリアン・ホールマークが就任して以来、アストン マーティンは経営とエンジニアリングのさらなる効率化を加速させてきました。その最も基本的なコンセプトとして意識されている言葉はもちろんパフォーマンスで、それは今回発表したSモデルにもそれは確かに反映されていると考えています。

F1のセーフティカーを務めるヴァンテージや、同じくメディカルカーのDBXなど、モータースポーツのトップカテゴリーで得た技術的な知見を、ダイレクトにロードカーの開発へとフィードバックできるのも、我々が持つ大きな強みです」

実際にDBXSに搭載されるエンジンは、DBX707から20psのエクストラを得た、727ps仕様の4LV型8気筒ツインターボ。同時にドライビングダイナミクスに大きな影響を及ぼす軽量化にも積極的に取り組み、カーボン製ルーフや23インチ径のマグネシウム製ホイールを採用したことなどで、DBX707に対して47kg軽量化することに成功している。

エクステリアのディテールでは、ハニカムデザインのフロントグリルや新デザインとなったフロントのウイングレット、サイドシル、リアデフューザー、そして縦に2本ずつ両サイドに導かれるエキゾーストパイプなどがDBXSの証だ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    山崎元裕

    Motohiro Yamazaki

    1963年生まれ。青山学院大学卒。自動車雑誌編集部を経て、モータージャーナリストとして独立。「スーパーカー大王」の異名を持つ。フツーのモータージャーナリストとして試乗記事を多く自動車雑誌、自動車ウェブ媒体に寄稿する。特にスーパーカーに関する記事は得意。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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