【レーシングドライバー塚本ナナミのスーパー耐久参戦記】第4回: スーパー耐久SUGOで優勝! 大クラッシュから1ヵ月で挑んだ奇跡の復活劇

公開 : 2026.07.12 07:45

奇跡の優勝は、皆さんのものです

決勝は4時間。スーパー耐久の中では短い部類のレースで、燃費走行ではなく、ドライバー全員が本気でタイムを稼ぎに行く戦いになります。

スタートを担った川福選手がトップに躍り出てマージンを築き、惠木勇哉選手がそれを守ってバトンをつなぎ、いよいよ私の出番。

念願の優勝と喜びのシャンパンファイト!
念願の優勝と喜びのシャンパンファイト!    佐々木純也

ドライバー交代の瞬間は、富士24時間の記憶がよみがえる、とても不安なものでした。

走行中のタイムは関係者やメーカーの方々に見られ、比較されます。それを意識せずに走ることは、レーシングドライバーにとって実はとても難しいこと。

でも今回の私の役割は、確実に次のドライバーへバトンをつなぐことです。エゴもプライドも全部捨てて、タイムが落ちてもいい、接触もトラブルもなく、クルマを無事に次のスティント(各ドライバーの走行担当区間)へ、という思いだけ。シーズンを通して戦うサーキットの中でも道幅が狭い部類に入るSUGOだからこそ、なおさら慎重に、それだけに集中しました。

川名賢選手へバトンタッチできた瞬間、チームに安堵の空気が流れました。「川名選手なら、最後まで安全にゴールまで運んでくれる」。そして私たちAndLegal Racing 822号車は、大クラッシュからわずか1ヵ月で、2位に約42秒差をつけ、奇跡の復活優勝を成し遂げたのです。

私たちにとって念願の優勝でした。

チーム全員が、これまでの思いを胸に涙を流し、抱き合いました。信じて応援してくださったファンの皆様、支えてくださるスポンサーの皆様、そして一切のトラブルなくマシンを仕上げてくれたメカニックの皆さん。私たちの優勝は、皆さんのものです。

次戦は7月25〜26日、大分県日田市のオートポリス。このままチーム一丸となって連勝を目指します。We are ONE TEAM!! 引き続き、応援よろしくお願いします!

第4戦SUGOスーパー耐久4時間レース AndLegal Racing 822号車リザルト

順位:1位/タイム:4:00’36.500/ラップ:133
クラス:ST-5F/カーナンバー:822/チーム:AndLegal Racing/マシン:アンドリーガル ドリフトスピリッツ Moty’s FIT/ドライバー:塚本ナナミ、川福健太、惠木勇哉、川名賢

完全復活をしたAndLegal Racing 822号車。
完全復活をしたAndLegal Racing 822号車。    佐々木純也

記事に関わった人々

  • 執筆

    塚本ナナミ

    Nanami Tsukamoto

    ブラジル・サンパウロ生まれ、山梨育ち。やまなし大使を務めるレーシングドライバー。GAZOO 86/BRZレースで経験を積み、2015年にはポルシェカレラカップジャパンで年間チームチャンピオンを獲得した。海外ではニュルブルクリンクVLN耐久レースに加え、アメリカ、タイ、インドネシアでのドリフト競技にも参戦。競技の最前線で培った知見をもとに、自動車メーカーと連携した女性向けの脱ペーパードライバー講習や企業向けドライビング講習を行うほか、ゲームやアニメを活用し、運転する楽しさと交通安全の大切さを伝える活動にも取り組んでいる。

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