走りに一切のいい訳なし お値打ちオープンカー12選(2) MGミジェット 体格が合えば待っているスリル
公開 : 2026.08.22 17:50
外界に響く排気音と心地良い風に包まれながらのオープンドライブは、比類ない喜びがあります。6000ポンド(約129万円)で常用に耐える、お手頃&魅力的なオープンカー12台をUK編集部が選出しました。
今でも維持しやすい「MGミジェット」
クロームメッキ・バンパーのクラシック・ロードスター、誉れ高きMGミジェットも、英国なら予算内で選べる。25万台以上も売れたことで、発売から65年後の今でも高騰しておらず、維持もしやすい。加えて、走りに一切のいい訳はいらない。
カニ目が特徴的だったオースチン・ヒーレー・スプライトの進化版といえ、快適性の向上が図られ、より万人受けするスタイリングが与えられていた。初期型は、サイドウインドウを上下するクランクも備わらないという、割り切った仕様だったが。

その小排気量エンジンを積む初期型は、コレクターズアイテム化している。今回の条件に合致するのは、1970年代前半からのミジェット。パワフルな1275ccのAシリーズ・エンジンを搭載し、走りの魅力度はまったく劣らない。
ご登場願った車両は、リアのホイールアーチが丸い「ラウンドアーチ」。生産期間が短く、特に人気の年式にある。
体格が合えば刺激的な体験へ興じれる
ミジェットは、ロードスターとして英国車で初めてモノコック構造を採用。ボディ剛性に優れ、乗り心地も素晴らしい。リアアクスルはリーフスプリングが支えるため、操縦性の洗練度が高いわけではないものの、挙動は予想しやすく信頼感も抱きやすい。
ステアリングの反応は鋭く、短いホイールベースを活かした機敏な身のこなしが可能。重心が低く、カーブでのボディロールは小さく、テクニカルなサーキットは得意分野でもある。まるで、BMC時代のミニ・クーパーのように。

今回の車両は、エンジンがツイン・ウェーバーキャブ化され、5速MTはトヨタ社製ユニットへ置換済み。ミジェットでは、このような改造が珍しくなく、有用なアップデートは価値を引き上げることになる。
シートポジションは低く、ダッシュボードには小さなメーターが数枚。足元は狭く、身長が180cmを超えるような体格の場合、フロントガラス上端のフレームが目線の中央に来てしまう。しかし、体格さえ合えばスリリングな体験が待っている。
クルマの楽しさを生む一体感や濃密な感覚
このミジェットはパワーアップされているが、クルマの楽しさを生むのは、速さ以上に、一体感や濃密な感覚。馬力を問わず、エンジンは速度上昇の手段に過ぎない。
排気音を空に放ちつつ、落ち着きに欠ける小径なステアリングホイールを握り、風切り音に包まれながらラインを選ぶ。カーブで速度を保つ快感は、他に代えようがない。

運転体験が素晴らしいだけでなく、致命的なトラブルに悩まされることも滅多にないはず。思わず見惚れてしまう、魅力的な姿のクラシック・ロードスターを探す時、ミジェットは最高の選択肢の1台だと筆者は思う。
協力:マイク・オーザーズ・クラシックス社

























































































