5ドア化で広がる可能性!『スズキ・ジムニー・ノマド』が持つ「懐の深い」唯一無二の魅力【黒木美珠がレポート】

公開 : 2026.08.25 11:45

改めて振り幅が広いクルマだと実感

開発者の方にこの感想を伝えたところ、「以前試乗したという中古車の年代にもよりますが、吸音材を追加したり、車両改良の副産物として静粛性が向上したりしています」とのことでした。

これなら車内での音楽を楽しむのにも良さそうです。内装は道具感のあるインテリアでまとまっていますが、快適性も兼ね備えているのが嬉しいポイントです。

内装は道具感のあるインテリアでまとまっていますが、快適性も兼ね備えているのが嬉しいポイント。
内装は道具感のあるインテリアでまとまっていますが、快適性も兼ね備えているのが嬉しいポイント。    平井大介

一般ユースをしっかり取り込みつつも、ジムニーに求められる走破性はもちろん忘れていません。

オフロードのテストコースでは、左右に小山のような凹凸が連続するモーグルと呼ばれる路面を走行しました。こうした場面でも、本格的なジムニーらしい走りを披露。水を得た魚のようにすいすいと悪路を抜けていく様子に、改めて振り幅が広いクルマだと実感しました。

今回体験したようなオフロードを実際に走行するユーザーの割合について尋ねてみました。すると、スキー場があるような積雪の多い地域では、日々の厳しい環境の中でジムニーを普段の生活の足として使う人が多いとのこと。一方で社員さんの中には、わざわざオフロードコースへジムニーを持ち込み、悪路走破を楽しむことを趣味にしている人もいるそうです。

共に乗り越えることで愛着が一段と深まる

これは筆者の体験談ですが、真冬の北海道で大雪が降る中、とあるクルマで稚内から東京まで自走で帰るという、無謀な企画に挑んだことがあります。地元の人でさえスタックするほどの雪でしたが、ジムニーがすいすいと走っていくのを目にし、雪国に住んでいたら絶対に購入しているだろうと強く思った記憶があります。

こうして悪路を共に乗り越えることで、クルマへの愛着が一段と深まっていくのかもしれません。

ジムニー・ノマド(右)の試乗会に参加した筆者。
ジムニー・ノマド(右)の試乗会に参加した筆者。    黒木美珠

日常の足として頼りになる一方で、普段の道では味わえない限界までクルマの性能を引き出すためにオフロードへ持ち出して、とことん遊ぶこともできる。そんなクルマとの付き合い方を受け止めてくれる懐の深さこそ、ジムニーの大きな魅力なのではないでしょうか。

『ジムニー is ジムニー』。これからも、ほかの何にも代えられない唯一無二の魅力を持ったクルマとして、そして、クルマをとことん楽しみたい人たちの相棒として、いつまでもあり続けてほしい。今回の試乗を通じて、そんなことを強く願いました。

記事に関わった人々

  • 執筆

    黒木美珠

    Miju Kuroki

    1996年生まれ、静岡県出身。自動車系YouTuberとしての活動を経て、自動車ジャーナリスト(の卵)へと転身。自身の車中泊による日本一周の経験をきっかけに、クルマを通じたライフスタイルの可能性に魅了されるようになる。現在は、輸入車デビューを目指す連載をはじめ、車中泊視点での車両レビューや、YouTubeチャンネル『AUTO SOUL JAPAN』の運営など、多角的に活動中。クルマを単なる移動手段や機械としてではなく、その背景にある開発者の想いや、クルマを取り巻く文化、そして『移動すること』そのものの価値を伝えることをモットーとしている。
  • 撮影 / 編集

    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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