特等席は2列目? BセグSUV日本唯一の3列7人乗り、新型『シトロエンC3エアクロス』 C3との作り分けに感心【森口将之が解析】

公開 : 2026.09.08 12:05

最高出力、最大トルクはC4と同じ

パワートレインは1.2L直列3気筒ガソリンターボエンジンと、モーターを内蔵した6速デュアルクラッチトランスミッションの組み合わせ。つまりC3と同じだが、エンジンの最高出力は101psから136ps、最大トルクは205Nmから230Nmにアップしている。

車両重量が1270kgから1390kgに増加したことに対応しているのだろう。ひとクラス上のC4より20kg重い数字であり、実は最高出力、最大トルクの数字はC4と同じだ。

取材車は上級グレードの『マックス・ハイブリッド』。価格は435万円となる。
取材車は上級グレードの『マックス・ハイブリッド』。価格は435万円となる。    山本佳吾

はるかに大きく重いC5エアクロスを不満なく走らせるパワートレインなので、加速は不満ない。ただ遮音はクラス相応なのか、3気筒の低音が響いてくることもある。おかげで発進時や巡航時にエンジンを切って電動走行をしている様子もわかる。

シャシーについては、タイヤサイズがC3の205/50R17から215/60R17と、太くて大径になったことを荒れた路面で教えられるが、上下動自体は長さと重さが良い方向に働いて、より鷹揚になった感じだ。

ステアリングは、リアが相対的に重くなったためか、C3のような前輪駆動車らしい手応えは控えめで、軽くてちょっと希薄なタッチ。ハイドローリックシステムをパワーアシストに使っていたBXあたりを思わせた。

C3よりホイールベースが長くなったことは、様々な場所で挙動がゆったりしたことで感じる。2列シートと3列シートで無理に特性を合わせたりせず、車両の成り立ちを素直にキャラクターにしている。

ハッチバックのC3がやっぱり都市部で味わい楽しみたいと思わせたのに対して、こちらはちょっと路面の荒れた2級国道とかを辿りながら、遠くを目指してみたいという気持ちになった。外寸に比例して、走る距離も自然と長くなりそうだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    森口将之

    Masayuki Moriguchi

    1962年生まれ。早稲田大学卒業後、自動車雑誌編集部を経てフリーランスジャーナリストとして独立。フランス車、スモールカー、SUVなどを得意とするが、ヒストリックカーから近未来の自動運転車まで幅広い分野を手がける。自動車のみならず道路、公共交通、まちづくりも積極的に取材しMaaSにも精通。著書に「パリ流環境社会への挑戦」(鹿島出版会)「MaaSで地方が変わる」(学芸出版社)など。
  • 撮影

    山本佳吾

    Keigo Yamamoto

    1975年大阪生まれ。阪神タイガースと鉄道とラリーが大好物。ちょっとだけ長い大学生活を経てフリーターに。日本初開催のWRC観戦をきっかけにカメラマンとなる。ここ数年はERCや欧州の国内選手権にまで手を出してしまい収拾がつかない模様。ラリー取材ついでの海外乗り鉄旅がもっぱらの楽しみ。格安航空券を見つけることが得意だが飛行機は苦手。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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