【注目は1.2Lハイブリッド】ふんわり感アップ!新型C4の乗り味はよりシトロエンらしく

公開 : 2025.04.23 11:45

フェイスリフトを受けた新型シトロエンC4にフランス車と言えばこの人、森口将之が試乗します。注目は今後ステランティス内で共用する新たな1.2Lハイブリッドですが、シトロエンらしさも増したようで、イタフラ好きは要注目です。

近年のシトロエンで重要な役割を果たしてきた

シトロエンC4は、近年のシトロエンで重要な役割を果たしてきたと思っている。ピカソやスペースツアラー、カクタスというシリーズ全体を紹介すれば、納得してもらえるだろう。

僕も一連のモデルが大事な存在である感じがして、初代C4とC4カクタスの2台を手元に迎え入れた。いずれも驚きが喜びに変わっていくデザイン、乗るほどに癒される走りに魅せられたことを、今も覚えている。

新型シトロエンC4に、フランス車といえばこの人、森口将之が試乗。
新型シトロエンC4に、フランス車といえばこの人、森口将之が試乗。    田中秀宣

そして現行C4についてはデビュー前に、当時GSに乗っていたこともあって、インポーターの協力による特別記事に関わらせてもらった。

その様子は今もオフィシャルサイトで見ることができるけれど、熱心なシトロエン・フリークの愛車であるBXとエグザンティアを交えた4台による取材は、年末の喧騒を忘れさせる穏やかな空気で満たされていた。

現行C4の全長はBXとエグザンティアの中間。しかもデザインやエンジニアリングはシトロエン独特のものを備えている。なので日本でもポテンシャルはあると思っているが、今年発表された新型では、そこにハイブリッドシステムという新たな武器を加えた。

シトロエンのみならず、このブランドが属するステランティスが日本に導入する車種でも初のフルハイブリッドであり、その走りはどうなのか、期待と不安が入り混じった気持ちで乗ることになった。

実車を見て初めて分かったこと

デザインについては、以前オンラインでのデザインプレゼンテーションを記事にしたので、そちらも見ていただきたいが、実車を見て初めて分かったこともあった。

フロントまわりは、この造形にこのライティングを組み合わせたのは前衛的で、シトロエンならではだと感じた。それ以上に好感を抱いたのはリアで、外側の2本のLEDのレンズを飛び出させたりしていて、かなりモダンでクールだ。

リアのデザインは、外側2本のLEDレンズを飛び出させたりしていて、モダンでクールな印象。
リアのデザインは、外側2本のLEDレンズを飛び出させたりしていて、モダンでクールな印象。    田中秀宣

ボディサイドでは、C4カクタス譲りのエアバンプが消滅し、パネルの造形がシンプルになったうえに、シックな新色マンハッタングリーンのためもあって、少々くどかったフェンダー周辺のキャラクターラインが目立たなくなった。

フロントバンパーとサイドシルに付く細いカラークリップは、サテンゴールドという控えめな色調がフランス車らしい。プレゼンテーションにあったとおり、簡単に外して取り替えられる構造だった。気分に合わせて付け替えることもできそうだ。

インテリアはメーターが大きくなったことよりも、シートに座った瞬間のふっかりした感触が印象的だった。

現行C4は当初から、クッションのウレタンフォームの厚みを15mm取ったアドバンストコンフォートシートを採用していた。しかし販売の主力で広報車両にも選ばれたシャインというグレードは、レザーとテップレザー(人工皮革)のコンビで、表面の張りが気になった。

しかし新型では、素材はテップレザーとアルカンターラの組み合わせで、間に逆U字型のファブリックを挟んだこともあり、シトロエンらしい感触が味わえた。

記事に関わった人々

  • 執筆

    森口将之

    Masayuki Moriguchi

    1962年生まれ。早稲田大学卒業後、自動車雑誌編集部を経てフリーランスジャーナリストとして独立。フランス車、スモールカー、SUVなどを得意とするが、ヒストリックカーから近未来の自動運転車まで幅広い分野を手がける。自動車のみならず道路、公共交通、まちづくりも積極的に取材しMaaSにも精通。著書に「パリ流環境社会への挑戦」(鹿島出版会)「MaaSで地方が変わる」(学芸出版社)など。
  • 撮影

    田中秀宣

    Hidenobu Tanaka

    写真が好きで、車が好きで、こんな仕事をやっています。
    趣味車は89年式デルタ・インテグラーレ。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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