【価格は339万円から】4代目新型シトロエンC3が日本上陸!見た目より内面で色濃い「らしさ」のDNA

公開 : 2025.10.05 11:00

4代目となる新型シトロエンC3が日本上陸を果たしました。パワートレインは1本、グレードは2種類とシンプルな構成ですが、価格は339万円からと魅力的です。事前取材で試乗することができた森口将之がレポートします。

議論になりそうなエクステリアデザイン

シトロエンのニューモデルが出ると、「前のほうが良かった」という意見が出てくることがけっこうある。

今でも記憶に残っているのは1982年にデビューしたBXで、前任車のGSとはデザインもメカニズムも激変したこともあり、当初はネガティブな意見が多かった。しかし商業的には成功した。5ナンバーサイズで価格が手頃だったことから、日本でも売れた。

10月5日に日本でもデビューを果たした4代目となる新型シトロエンC3。
10月5日に日本でもデビューを果たした4代目となる新型シトロエンC3。    平井大介

デザインやメカニズムといった表面的な部分より、ずっと根源的なところで、作り手はシトロエンらしさを考えているのだろう。

そんなストーリーを思い出しながら、10月5日に発表となる新型『シトロエンC3』はどのような評価を受けるのだろうかと、事前取材で東京都内をドライブしつつ考えた。

新型で通算4代目になるC3は、デザイン、プラットフォーム、パワーユニットのすべてが刷新された。この中でもっとも議論になりそうなのはエクステリアデザインだろう。

日本導入車種では、新世代シトロエン・デザインを全面的に取り入れた初めてのモデルであり、3本のラインで構成された前後のランプ、創業時を思わせる楕円で囲まれたダブルシェブロンと、そこから連続する斜めのラインが入ったブラックの帯、フロントとサイドのカラークリップなどがディテールの特徴になる。

いずれも先代C3にはなかったディテールだ。しかもシャープな線が目立つようになった。そこで思い出したのが、今年の春にC4がマイナーチェンジしたとき、チーフデザインオフィサーのピエール・ルクレール氏にオンライン取材したときの言葉だ。

日本仕様はプラスとマックスの2グレード

ルクレール氏はC4に込めた新世代シトロエン・デザインについて、シンプルで軽快に見せることは大切にしつつ、丸いフォルムの中にシャープなディテールを入れることでコントラストを出したと語っていた。新型C3のエクステリアデザインは、たしかにその路線に則っている。

ボディサイズは、全長4015×全幅1755×全高1590mmで、先代より20mm長く、5mm広く、95mm高くなった。背が伸びたのは、世界中でSUVのパッケージングがポピュラーになっていることが大きいだろう。

全長4015×全幅1755×全高1590mmで、先代より20mm長く、5mm広く、95mm高くなった。
全長4015×全幅1755×全高1590mmで、先代より20mm長く、5mm広く、95mm高くなった。    平井大介

SUVのC3エアクロスの代替になりそうな数字だが、本国ではエアクロスの新型も出ていて、さらに背が高いだけでなく長さ方向も伸びており、3列シートもある。こちらが気になるユーザーもいるかもしれない。

日本仕様はプラスとマックスの2グレードで、後者は2トーンカラーやアルミホイールなどが標準装備になる。取材したのは写真でおわかりのとおり後者だ。

ドアを開けるとまず目に入るインパネは水平基調で、かつての2CVを思わせる。メーターは上側のスリットの中にデジタルで表示される。針ではなく数字で表すのはボビンメーター以来のお家芸だし、ミニマムな処理もシトロエンらしい。

取材したマックスでは、各ドアに異なるメッセージが入った真っ赤なタグがつく。さらにプラスを含めて、グローブボックス内には象徴的なモデルのシルエットが刻まれ、リアウインドウ下端にはパリの街並みが描かれるなど、フランスらしい遊び心をあちこちに見つけることができる。

シートは他のシトロエンにも採用されている、アドバンストコンフォートシートで、体を優しく受け止めてくれる掛け心地は、昔からのシトロエン・フリークも納得しそう。

加えてリアは車高が上がったせいで、先代までより居住性がアップした。身長170cmの僕なら、ひざの前も頭上も余裕が残るし、座り心地はこちらも良好だ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    森口将之

    Masayuki Moriguchi

    1962年生まれ。早稲田大学卒業後、自動車雑誌編集部を経てフリーランスジャーナリストとして独立。フランス車、スモールカー、SUVなどを得意とするが、ヒストリックカーから近未来の自動運転車まで幅広い分野を手がける。自動車のみならず道路、公共交通、まちづくりも積極的に取材しMaaSにも精通。著書に「パリ流環境社会への挑戦」(鹿島出版会)「MaaSで地方が変わる」(学芸出版社)など。
  • 撮影 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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