4.4mの「7シーターSUV」登場 シトロエンC3 エアクロス・ハイブリッド(1) どんなハード?

公開 : 2025.10.24 19:05

同クラスのSUVで欧州初の7シーター、C3 エアクロス 1.2L 3気筒ターボ・ハイブリッドは146ps 充分使える3列目 市街地や駐車場で実感する運転のしやすさ 抜群のコスパ UK編集部が試乗

同クラスの欧州製SUVで初の7シーター

ここ数年、欧州の新車市場を賑わせてきたのは、小さなSUVだ。住宅地では、ルノー・キャプチャーフォルクスワーゲンTロックなどを、頻繁に目にする。それでも、まだ魅力的な新車が登場する余地はあったらしい。シトロエンの、C3 エアクロスだ。

見た目は例によって背が高めで、ブラックの樹脂製モールがホイールアーチを覆う。しかし特長となるのが、同クラスの欧州製SUVでは初めて、7シーターであること。全長4395mm、全幅1850mmのボディに、3列シートが収まる。

シトロエンC3 エアクロス・ハイブリッド・マックス(英国仕様)
シトロエンC3 エアクロス・ハイブリッド・マックス(英国仕様)

スタイリングは、全長4015mmのC3とかなり近い。フロントマスクは瓜二つで、ボディパネルの多くも共有する。だが横へ回れば、ホイールベースは132mm延長され、オーバーハングも250mm近く伸びている。リアドアが長く、Cピラーも太い。

シトロエンは、2022年にブランドロゴを楕円形のクラシカルなデザインへ改めた。フロントグリルの中央でそれが輝き、好ましいアクセントになっている。100年の歴史を、誇らしく主張するように。

1.2L 3気筒ターボのハイブリッドで146ps

プラットフォームは、ステランティス・グループのスマートカーと呼ばれるもの。パワートレインは、エンジンと電気モーターの両方へ対応する。

今回試乗したのは、1.2L 3気筒ターボエンジンに、電圧48Vのハイブリッドシステムを組み合わせた仕様。システム総合で146psを発揮する。廉価版として、100psの1.2Lの非ハイブリッドも用意される。バッテリーEV版は、e−C3 エアクロスを名乗る。

シトロエンC3 エアクロス・ハイブリッド・マックス(英国仕様)
シトロエンC3 エアクロス・ハイブリッド・マックス(英国仕様)

すべて前輪駆動で、1.2Lハイブリッドは6速デュアルクラッチAT。サスペンションは、前がストラット、後ろはトーションビームを採用する。コイルにダンパーという一般的な組み合わせだが、油圧バンプストッパーを備え、優しい乗り心地が狙われている。

車重は、ガソリンタンクが1/3の状態で試乗車を計測し、1381kgだった。3列シートのSUVとしては、かなり軽い。

充分使える3列目 7名乗車時の荷室は40L

先にも触れたように、C3 エアクロス最大の特徴といえるのが、3列シートを組めること。試乗車にも、そのオプションが装備されていた。

ただし、荷室容量は3列目の背もたれを倒しても、ウインドウ下で300Lほど。シート背面の、床部分になる素材は余り丈夫でもない様子。3列目を起こすと、残る荷室は40Lしかない。5シーター仕様なら500Lあるから、予め確かめた方が良いだろう。

シトロエンC3 エアクロス・ハイブリッド・マックス(英国仕様)
シトロエンC3 エアクロス・ハイブリッド・マックス(英国仕様)

そのかわり、3列目自体は充分使える。小学生の子どもには、不満ない広さなはず。膝前も頭上も狭くはなく、背もたれはリクライニング可能。カップホルダーとUSB-Cポートも備わる。チャイルドシートのISOFIX金具は、2列目にしかない。

2列目の広さは、このクラスの平均。5シーター仕様よりシートの位置は65mm前側で、余裕は若干削られているものの、平均的な大人の長距離移動には対応できる。乗りやすい大きさの7シーターを求めるファミリーへ、確かに応えるパッケージングといえる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 執筆

    アレックス・ウルステンホルム

    Alex Wolstenholme

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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