しっかり受け継ぐライオン一族らしさ 新型『プジョー408』はギラギラせず前衛的な雰囲気 思い出したのは405Mi16や406クーペ【森口将之が解析】

公開 : 2026.09.21 11:45

以前より『ルノーっぽくなった』乗り心地

1.2L直列3気筒ターボエンジンとモーター、6速デュアルクラッチトランスミッションを組み合わせたハイブリッドシステムの最高出力は136ps、最大トルクは230Nmで、プジョーで言えば3008や5008と共通だ。車両重量はジャスト1500kgで、5008より240kg軽いので、加速は問題ない。

勢いをつけた加速では、3気筒特有の唸りが出るものの、不快な音をシャットアウトしているおかげもあって、そんなに気にならない。逆にエンジンが停止しているときは、路面によってはロードノイズが少し気になることもあった。

1.2L直3ターボとモーターを組み合わせたハイブリッドの最高出力は136ps、最大トルクは230Nm。
1.2L直3ターボとモーターを組み合わせたハイブリッドの最高出力は136ps、最大トルクは230Nm。    山本佳吾

タイヤサイズは205/55R19と、308の225/40R18より細くて大径という独特のサイズ。実はこの数字、シトロエンC5Xと同じで、ホイールベースもC5Xと5mmしか違わない。C5Xのプジョー版と言えるかもしれない。

それによる乗り心地はどうかというと、以前よりルノーっぽくなった。フランス車にくわしくない人には1から説明する必要がありそうだけれど、簡単に書けば、路面のギャップをしなやかにいなす猫足っぽさが薄れた代わりに、フラットライドは強まった。

路面にひたっと接地しながらコーナーを抜けていく

ただし小径ステアリングに加えて、小さく軽いエンジンのおかげもあってかターンインはクイックで、ここはプジョーっぽいし、その後も路面にひたっと接地しながらコーナーを抜けていく仕草も、このブランドならではだ。

高速道路で試したACCが、進路維持が以前のようにカクカクせず、スムーズになったことも気づいた点だ。

実用的で快適なパッケージを美しいフォルムにまとめる、プジョーの伝統を受け継ぐ。
実用的で快適なパッケージを美しいフォルムにまとめる、プジョーの伝統を受け継ぐ。    山本佳吾

最近日本でも新車装着義務付けが決定したドライバーモニタリングシステムは、実は欧州が先行していて、408にも標準装備されている。走行中によそ見をしたりすると、すぐに注意をしてくれて、安全性にも積極的に取り組んでいることがわかった。

プジョーは昔から、実用的で快適なパッケージングを美しいフォルムにまとめ、軽快に走らせるところが魅力だった。最新の408にも、そういう部分はしっかり受け継がれていて、ライオン一族であることが確認できた。このブランドとしては珍しいファストバックは、猫背っぽくもあるし。

記事に関わった人々

  • 執筆

    森口将之

    Masayuki Moriguchi

    1962年生まれ。早稲田大学卒業後、自動車雑誌編集部を経てフリーランスジャーナリストとして独立。フランス車、スモールカー、SUVなどを得意とするが、ヒストリックカーから近未来の自動運転車まで幅広い分野を手がける。自動車のみならず道路、公共交通、まちづくりも積極的に取材しMaaSにも精通。著書に「パリ流環境社会への挑戦」(鹿島出版会)「MaaSで地方が変わる」(学芸出版社)など。
  • 撮影

    山本佳吾

    Keigo Yamamoto

    1975年大阪生まれ。阪神タイガースと鉄道とラリーが大好物。ちょっとだけ長い大学生活を経てフリーターに。日本初開催のWRC観戦をきっかけにカメラマンとなる。ここ数年はERCや欧州の国内選手権にまで手を出してしまい収拾がつかない模様。ラリー取材ついでの海外乗り鉄旅がもっぱらの楽しみ。格安航空券を見つけることが得意だが飛行機は苦手。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

関連テーマ

おすすめ記事