桁違いに強力な1.5L 6気筒ターボ アストン マーティン・ハルフォード・スペシャル(1) 英国初GPへ挑んだボートテール・レーサー

公開 : 2026.10.11 17:45

1920年代半ばでは桁違いに強力だった120馬力

この6気筒エンジンは、その頃としては桁違いに強力だった。レーシングマシンへターボを導入した史上初の例といえ、最高出力は120馬力に届いた。40年ほど先取りした技術内容で信頼性が伴わず、1925年までにスーパーチャージャーへ交換されるが。

1926年にラジエターを大容量タイプへ置換し、ブルックランズで開かれたほぼすべてのレースへ出場。その殆どで、表彰台へ登る戦績を残している。

アストン マーティン・ハルフォード・スペシャル(1923年/ワンオフマシン)
アストン マーティン・ハルフォード・スペシャル(1923年/ワンオフマシン)    ジャック・ハリソン(Jack Harrison)

彼のマシンは、アストン マーティン・ハルフォード・スペシャルと名付けられ、ウィットサン・ミーティングでは3戦中1勝と3位が2回。BARCサマー・ミーティングでは1勝し、2位を2回掴んでいる。平均速度も、164.2km/hから176.9km/hと際立った。

そして同年のハイライトが、初開催となったRAC英国ブランプリ。新レギュレーションで、エンジンは1.5L以下へ制限されていたが、過給器の搭載は問われていなかった。

4位、3位と順位を上げていったハルフォード

計110周、約461.9kmという長丁場へエントリーしたのは、僅か13台。スタート直後、先頭集団が形成された頃には、9台に減っていた。それでも、172psを誇るドラージュ 15-S-8や、ブガッティ・タイプ39Aなど、競争相手に不足はなかった。

ハルフォードは、上位入賞にある程度自信を抱いていたと推測できる。3台のタルボや、アンザニ社製エンジンのアストン マーティンなどとも、順位を競ったとしても。マルコム・キャンベル氏にアンドレ・デュボネ氏など、ドライバーも名手揃いだったが。

アストン マーティン・ハルフォード・スペシャル(1923年/ワンオフマシン)
アストン マーティン・ハルフォード・スペシャル(1923年/ワンオフマシン)    ジャック・ハリソン(Jack Harrison)

1周目からリードしたのは、タルボ勢。その後方へ、キャンベルが駆るブガッティ、ハルフォード・スペシャル、ジョージ・エイストン氏の駆るアストン マーティンが続いた。

だがタルボの1台は、序盤にフロントアクスル破損でリタイヤ。別のタルボも、タイヤトラブルで順位を落とす。ハルフォードは周回を重ね、4位、3位と順位を上げていった。

この続きは、アストン マーティン・ハルフォード・スペシャル(2)にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    サイモン・ハックナル

    Simon Hucknall

    英国編集部ライター
  • 撮影

    ジャック・ハリソン

    JACK HARRISON

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

アストン マーティン・ハルフォード・スペシャルの前後関係

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