トヨタ・プリウス・プロトタイプ

公開 : 2015.11.18 23:50  更新 : 2022.12.12 21:29

  • 歩行者の認識やレーダークルーズコントロールを装備したトヨタ・セーフティ・センスPを採用。

  • 歴代プリウスで初めて4駆をラインナップ。電気式4輪駆動方式(E-Four)を採用。

  • リアのダブルウィッシュボーン。中央部のE-Fourモーターはコンパクトだ。

  • エンジンがスリムになり、補機用バッテリーをトランクから移設できたのは大きなカイゼン。

リチウムの利点は電圧が高いことにある。だからEVやPHVには向いている。ニッケル水素は水素を使う。元素周期表の1番、が示す通り、水素は小さな物質だから動きやすい。

その小さな物質を利用するニッケル電池は、理論的に電力を出したり入れたりするハイブリッド・カーに向いている。電圧が低いという弱点はあるけれど、過充電、過放電時でも放っておけば自然に修復するメリットもある。つまり、勝てる要素がある。だから、ニッケル水素電池はこれからも開発の余地が大いにある、と電池担当のエンジニア氏は語った。

TNGAにも特に新しい技術が使われているわけではない。考え方、思想を変えた。リアのダブルウィッシュボーンは新設計だそうだけれど、オーリスの高級版のブレードで使っていたものであるらしい。そのブレードのダブルウィッシュボーンはオーリスの4WDのリアから持ってきた、とウィキペディアにはある。

巨大な利益を生み出すトヨタの強みは、地道な技術の積み重ねにある、と筆者は改めて思った。これは徳川家康公から連なる三河の倹約精神のなせるワザであるやもしれない。プリウス4代目はトヨタ・ウェイが生み出した傑作だ。

(文・今尾直樹 撮影・前田恵介)

トヨタ・プリウス・プロトタイプ

価格 NA
燃費 40km/ℓ(目標値・一部グレード)
乾燥重量 1360kg
エンジン 直列4気筒1797cc + モーター
エンジン最高出力 98ps/5200rpm
エンジン最大トルク 14.5kg-m/3600rpm
モーター最高出力 72ps
モーター最大トルク 16.6kg-m


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記事に関わった人々

  • 今尾直樹

    Naoki Imao

    1960年岐阜県生まれ。幼少時、ウチにあったダイハツ・ミゼットのキャビンの真ん中、エンジンの上に跨って乗るのが好きだった。通った小学校の校長室には織田信長の肖像画が飾ってあった。信長はカッコいいと思った。小学5年生の秋の社会見学でトヨタの工場に行って、トヨタ車がいっぱい載っている下敷きをもらってうれしかった。工場のなかはガッチャンガッチャン、騒音と金属の匂いに満ちていて、自動車絶望工場だとは思わなかったけれど、たいへんだなぁ、とは思った。

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