ゼノスE10 Rプロトタイプ

公開 : 2015.11.25 23:30  更新 : 2017.05.29 20:01

風をあまり感じないのは、ノイズの大きさも影響しているのだろう。空気をガバガバと吸い込む音や、ターボが高速で回転している音がすぐそばから聞こえる。2.0ℓのエンジンでもかなりの音量であるが、この2.3ℓだとさらに激しい。

マフラー径も7cmを超えているし、ブースト圧も1.4barになっているから、そもそも静かであるはずがないのだが。

じめじめとしたコンディションであっても、直線上のトラクションは並外れるレベルであり、160km/hなんてあっという間。パワー・デリバリーにフラットな部分がないのもいい。6800rpmまで簡単に到達してしまうところもいい。

ギアレバーは従来よりも18mm下がっている。シフト・ノブはフォードからの流用ではなく専用品となる。カチリとした、いかにもメカニカルな操作感だ。

現時点ではサスペンションの変更は施されていないが、開発チームを率いるクリス・ウェストンは10%程度まで引きあげていく予定なのだそうだ。よって、もう少しロールも小さくなるだろう。

エイボン製のZZRタイヤもしっかりと路面をとらえつづける。天候やブーストによるアンダーステアも少なからず看取されるが、引きつづきアジャストしやすく、ミスにも寛容なうえ楽しいクルマであることがわかる。

ドライバーを驚かすというよりも、自由なキャラクターであり、シャシーの潜在能力もかなり高いことがわかった。製品化にむけて、欠点がなくなっていくことを考えるとますます期待がふくらむ。

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