ポルシェ製ミサイル。言い替えるならばターボS。
右ハンドル仕様を英国内でテストする。

■どんなクルマ?

ポルシェ911の全グレードがターボ・エンジンを載せるようになったことに対し、いろいろな意見があるかもしれないが、少なくともトップ・グレードの911ターボは1975年から存在している。

標準グレードでさえターボ・エンジンを搭載する今となってはちょっとややこしいが、大文字のTからはじまるグレードとしての ‘Turbo’ は、今もなお全911を支配下に置く、いわば最高位の911なのである。

911ターボは、その突出したパフォーマンスと数値でいつの時代もわれわれを驚かせてきた。

たとえば1975年、3.0 930ターボは261psを発揮し、0-100km/hタイムは5.5秒だった。今はどうか? このテストの主役であるターボSは、なんと580psを叩きだす。100km/hまでわずか2.9秒で達してしまうのだ。最新型はシリンダー・ヘッド部のインレット・ポートを改め、インジェクション・ノズルを新たなものを組みあわせた。燃圧も高まっている。その結果、911ターボはこれまでよりも20psのパワー・アップに成功している。とどまる勢いを知らない。