エンジンの反応がいいということは、楽しいということとも直結する。ダイナミック・モードにすれば、ステアリングのみならず、ブレーキ・ペダルの重みも増す。さらに、エンジン音のキャンセラーも弱められる(しかしそれでもクルーズ時は静かだが)。

20インチのアロイ・ホイールを履いていても、乗り心地はいい。XC90で味をしめたドライバーならばV90に乗っても裏切られた気はしないはずだ。

コンフォート・モードでは、突起物や凹みを踏んでも、ボディが浮いているかのごとくやわらかだ。

しかし運転していて、決して退屈に感じるクルマではなくなっているのもいい。ボルボ側は「ドイツ車の安定感とダイナミズムをV90に求めないでください」というが、これは決してネガティブなアイデアではなく、ボルボ独自の観点でV90を仕立てているからなのである。

動的性能がもっとも光るのは、あくまで負荷がかかったときであり、その他は安心できる、やわらかな乗り心地の提供に徹しているのだ。やわらかいということは、コントロールしにくい、とも思うことなかれ。V90は入力にきちんと反応し、マナーを乱さない。