峠道で「ひと回り小さく」感じるRWD 誕生 ボルボES90(2) 完璧なアクセルレスポンス
公開 : 2025.10.23 19:10
ボルボ最新の大型電動サルーン、ES90 333psの後輪駆動から680psの四輪駆動まで 車内は特別なラウンジのよう サイレント&シームレスな走り 急速充電は350kW UK編集部が試乗
もくじ
ー極めてサイレント&シームレス
ー峠道でひと回り小さく感じるボディ
ー急速充電は350kW 価格競争力は高い
ー有能・豪華な電動サルーン 積極的に検討候補へ
ーボルボES90 ウルトラ・シングルモーター・エクステンデッドレンジ(欧州仕様)のスペック
極めてサイレント&シームレス
最新のボルボES90は、極めてサイレント&シームレス。試乗したのはシングルモーターで333psの後輪駆動で、動力性能は驚くほどではないものの、大型電動サルーンとして不足ない。0-100km/h加速は6.6秒でこなす。
高めのガラスエリアとシートポジションも相乗し、ロール・スロイスへ通じるような特有の印象を生む。ただし概ね快適ながら、低速域での乗り心地には疑問が残った。

試乗車が22インチの大径ホイールを履いていたことも、影響していたはず。路面の凹凸に対して若干落ち着きに欠け、BMW i5などのライバルに届いていない。
峠道でひと回り小さく感じるボディ
試乗場所は南フランス・ニース周辺で、山岳地帯へ駆け登るタイトなワインディングも含まれた。車重は2410kgで、全長が5000mm丁度、全幅1942mmというサイズのサルーンには、大胆な設定のように当初は思えた。
後輪操舵は備わらず、ステアリングホイールへ伝わる情報量は少なめ。フロントガラス下端が高めで見切りに優れるとはいえず、大きなホイールを包むタイヤも薄い。

それでも、想像以上に気を使わず運転できたことに驚かされた。回転半径は、後輪も向きが変わるBMW i5と同等。ステアリングの反応は自然で、切れ角が深い。完璧に調整されたアクセルペダルを、気兼ねなく踏むことができる。
電動パワーステアリングを軽めに設定し、回生ブレーキの効きを弱めにすれば、後輪駆動らしく滑らかに扱える。i5より、ひと回りボディが小さく感じられたほど。身のこなしにはある程度の重厚感を伴うが、高級サルーンとして魅力の1つでもあるだろう。
急速充電は350kW 価格競争力は高い
発進・停止や勾配の多いルートを走った電費は、平均で4.8km/kWh。この条件での航続距離は、425kmほどといえる。印象的な数字ではないものの、普段使いで不満が出ることは少ないはず。
急速充電は350kWまで。i5の205kWや、メルセデス・ベンツEQEの170kW、アウディA6 E-トロンの270kWより遥かに高速で、強みの1つに数えられる。

英国価格は、約6万9000ポンド(約1407万円)からが告知されている。コストパフォーマンスで秀でるわけではないものの、同等のi5やEQEよりお手頃。A6 E-トロンは、6万2500ポンド(約1275万円)からだが、競争力は高そうだ。
ちなみに、エアスプリングに調光式グラスルーフ、電動バケットシートなどが備わるウルトラ仕様は、シングルモーター版では約1万ポンド(約204万円)増しになる。


















































































































































