それでも退屈に感じるならば ‘パイロット・アシスト’ がいい。ボルボが ‘セミ自動運転’ と称するこれは、129km/h以下であれば効果的に作動可能な可変クルーズ・コントロールの応用である。

レーンを逸脱したときのみに作動する機能ではなく、車線と車線のあいだをキープしつづける機能をもつ(両者は似ているが異なる)。混雑した道やカーブの多い場所でも効果的に機能を発揮してくれた。同時に、クルマを運転し、クルマを評価するわたしの出番もなくなりつつあるような寂しさを覚えた。それくらいによかった。

■「買い」か?

「買い」というにあたって抗しがたい理由があり、「買いではない」というための理にかなった根拠もある。

まずは前者から。実用的で、経済的、リラックスして運転できるうえ、賢さもある。

そして後者。動的性能において、やや物足りなさを感じる。そして持ちあわせるエンジンに対し、高い。

ただ、ボルボの功績は認める。見た目、触感、乗り心地のすべてが ‘プレミアム’ と称するだけの根拠をもつ。

静かな喜びを好む向きならば、購入を強くおすすめする。わたしもその質だ。一概に「買い」とはいえないが、「買いたい」と強く思えるクルマが誕生した。

ボルボV90 D5

価格	£44,000(696万円)
最高速度	240km/h
0-100km/h加速	7.2秒
燃費	20.4km/ℓ
CO2排出量	129g/km
乾燥重量	2000kg
エンジン	直列4気筒1969ccディーゼル
最高出力	235ps/4000rpm
最大トルク	48.9kg-m/1750-2250rpm
ギアボックス	8速オートマティック