■結論

5台を連れだって、すでにかなりの距離を走っていたが、最終的なウィナーを決めるためにヘアウッド・ヒルクライムという、ショート・サーキットを同時に走らせることにした。

ここまで読んだ向きにとっては、MX-5とフィエスタSTがトップ2となることに何ら驚きはないだろう。

フィアット124スパイダーは結果的に、FRとライトウェイトというスポーツカーのテンプレートを踏襲しているにもかかわらず、チャンスを反故にした。

クリオR.S.220トロフィーとDS 3もたしかにいい。ただ、フィエスタST200と比べると、‘日常にチューンしたクルマの楽しさを加える’ といったところにとどまり、シリアスなドライビングでは、フィエスタST200のほうが光る存在だ(もちろんどちらもデキはいいが)。

さて、ならば、MX-5とフィエスタSTのどちらを1位にするか。迷っているのは、2台の差異を見出しにくいからである。

仮にセカンドカーとして購入するならばMX-5がいいだろう。楽しむことに割り切ったクルマだからだ。ピュアなハンドリングと甘美なステア・フィールが(いつもながら)高評価を与える理由だ。

ただ、目の前にフィエスタST200があるならば、子どもの送り迎えや休日の買いだめ、通勤に困らないパッケージのフィエスタST200のほうに頻繁に乗るだろう。

実用性を最優先するのはもってのほかだが、両者が ‘おなじくらい楽しい’ となれば、実用性が高いに越したことはない

よって、底抜けに楽しく、かつ日常でもそれを無理なく味わえるフィエスタST200を今年のベスト・アフォーダブル・カーとしたい。

ホットハッチがアンダー340万円対決を制した。これは久方ぶりのことであった。