この新型SUVを走らせてみれば、自社の大型モデルで好評なリラックスした走り味を、スコダが目指していないのは明白だ。目指したのは他車のライバルに対抗しうる敏捷性である。

とはいえ、スコダ基準で考えなければ、硬さの程度はミディアムといったところ。平坦でない道でも、十分に順応してくれる。ハンドリングは正確で適度に敏捷。ややオーバー・アシストでフィールに曖昧さはあるが、それでもコーナーでのライン・トレースは容易だ。

■「買い」か?

このサイズで多人数が乗れるクルマを探しているなら、間違いなく候補に入れるべき一台だ。

ファミリーカーとして考えれば、乗り心地やハンドリングはやや不完全だが、それがコディアックを否定するまでには至らなかった。

荷室は広大で、7座全席とも使い心地に満足できて、インフォテイメントなど装備類の利便性も最高。エンジンは力強いし、装備の充実した中間グレードでも価格は手頃。文句を言ったらバチが当たりそうだ。

スコダの野望、というには、コディアックはインパクトに欠けるクルマかもしれない。しかしながら、この意欲的なメーカーの発展に拍車をかける原動力となることは疑う余地もない。

■日本版編集部の見立て

フォルクスワーゲン・ティグアンの兄弟車である大型SUV、スコダ・コディアック。スコダ・ブランドらしく、フォルクスワーゲンよりもかなり価格が安く抑えられているのが大きな特徴。しかし、そのクオリティは、廉価ブランドには似つかわないほど、高いもののようだ。7シーターのフルサイズSUVが、しかも4WDモデルが449万円。これは間違いなくバーゲン・セールだ。

スコダ・コディアック2.0TDI 150 4×4エディション

価格	£32,695(449万円)
全長×全幅×全高	NA
最高速度	200km/h
0-100km/h加速	10.0秒
燃費	18.5km/ℓ
CO2排出量	142g/km
乾燥重量	1676kg
エンジン	直列4気筒1968ccターボ・ディーゼル
最高出力	150ps/3500rpm
最大トルク	34.7kg-m/1750rpm
ギアボックス	6速マニュアル