レクサスLC500搭載の10速ATが世界初公開

2016.12.06

トヨタは、来年以降、本格展開するTNGA(Toyota New Global Architecture)の新パワートレインを発表し、FF用8速オートマティック、FR用10速オートマティックの実機を世界初公開した。

新型の8速、10速オートマティック・トランスミッションは、ダイレクト・シフト-8AT・10ATと名付けられている。

その名の通り、エネルギーロスを最小限にし、ギアやクラッチなどに様々な対策を施すことで、世界トップレベルの伝達効率を実現した。

「超仕上げ歯面ギア」とは?

ギアは、歯面の摩擦係数を低くする新加工を施した「超仕上げ歯面ギア」を採用し、噛み合う時のエネルギー伝達ロスを削減している。

これは、歯面のわずかな凹凸の内、山となる部分を機械的に削る工程を追加したギア。谷の部分は潤滑オイルを保持する目的で残している。従来型に比べ、歯面を平滑で鏡面状に仕上げることができる新技術だ。

クラッチは、摩擦材形状を最適化し、回転時の損失トルクを約50%低減(従来型6速AT比)。さらに小型軽量化により車両燃費を改善し、低重心化によって走行安定性を向上させている。

また、ギアをワイド化するとともに、高性能・小型トルクコンバーターを新開発し、ロックアップ領域を拡大。アクセル操作に素早く、滑らかに反応することで、ドライバーの思いどおりに反応する走りを追求した。

レクサスLC500に搭載、10速AT

10AT(写真下)は、レクサスLC500への採用が公表されている。これは、8速から10速に段数アップしながら、低中速域を中心に、各段の使用領域(段数)を最適化するクロスギアを採用。FRプレミアム車にふさわしいスムースかつ世界最速レベルの変速により、リズミカルで “気持ち良い走り” を追求した。

なお、LC500の日本発売は2017年春の予定だ。

今回の発表では、トヨタ・ハイブリッド・システム(THS II)も発表されている。4代目プリウス採用の技術をベースに、2.5ℓエンジン用ハイブリッド・システムを一新。あわせてFR用の高性能マルチステージTHS IIを新開発したという。

トヨタは、2021年までの5年間に、多段化AT、新機構のCVTなど4機種、10バリエーション、ハイブリッド・システムは6機種、10バリエーションの投入を予定している。


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